浴室は毎日使用することから皮脂や石鹸カスにより汚れやすく、湿気が高いため黒カビなどが発生しやすい場所です。
掃除範囲が広く浴槽や床は毎日掃除していても、シャワーヘッドやゴムパッキンまで掃除が行き届かないと悩む人も少なくありません。
シャワーヘッドは水が出てくる部分であるため、定期的に掃除しないとさまざまな悪影響を引き起こす恐れがあります。
今回は徹底的に掃除するのが難しいシャワーヘッドの掃除方法について、わかりやすく解説していきます。
誰でも簡単に実践できる方法で風呂掃除のやり方としても活用できますので、ぜひ普段の掃除で試してみてください。
- シャワーヘッド掃除の必要性
- 汚れ別のシャワーヘッド掃除方法
- シャワーヘッド掃除におすすめの掃除アイテム
- シャワーヘッドを汚れにくくする普段のお手入れ方法
シャワーヘッドは汚れやすい!定期的な掃除の必要性について
以前「ソレダメ」というテレビ番組で、シャワーヘッドの中はカビだらけであることが放送され大きな反響を呼びました。
あまり汚れていないと思われがちなシャワーヘッドですが、実は定期的にお手入れしなければ汚れが蓄積し黒カビが繁殖してしまいます。
ここではシャワーヘッドの掃除がなぜ必要なのか、具体的な汚れの原因などについて解説していきます。
シャワーヘッドは水道水に含まれる成分が固着しやすい
普段使用している水道水にはさまざまな成分が含まれており、その中の一つであるカルシウムは水分が乾燥することで水垢となり表面に固着します。
お風呂の鏡にできるウロコ状の白い塊もこの水垢が原因です。
鏡だけではなく、鏡面仕様のシャワーヘッドが白っぽくなってしまい悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
皮脂やシャンプーの成分が付着し黒カビの原因になる
シャワーヘッドはシャワーフックにかけて使用するものの、洗髪の際に飛び散った皮脂やシャンプー成分が付着するため注意が必要です。
皮脂や石鹸カスは黒カビのエサとなるため、そのままにしておくとシャワーヘッドに黒カビが増殖してしまいます。
特に掃除をしにくい細かい隙間には注意が必要と言えます。
隙間などの黒ずみの正体は黒カビなんです…
汚れを放置すると目詰まりの原因になる
ここまでに解説してきた水垢や黒カビを放置したまま使用し続けると、更に増え続けシャワーヘッドが目詰まりしやすくなります。
目詰まりすると十分な水圧や水量が得られないため、シャワーの使用時間が長くなるなどして水道代や光熱費が上がってしまう原因にもなり得ます。
節水タイプのシャワーヘッドを使用していても、目詰まりにより使用時間が増えてしまっては意味がありません。
汚れ別シャワーヘッドの掃除方法
シャワーヘッドには水垢や黒カビなどさまざまな汚れが付着していますが、汚れによって掃除方法は異なります。
シャワーヘッドだけではなく、さまざまな掃除箇所で活かせる知識をはじめに紹介します。
黒カビやピンクヌメリ(酸性) | 塩素系洗剤や重曹といったアルカリ性のものが効果的 |
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水垢や石鹸カス(アルカリ性) | クエン酸やお酢といった酸性のものが効果的 |
軽度な汚れ | 中性洗剤が肌荒れしにくくおすすめ |
このように汚れの成分を分解しやすい成分の洗剤やアイテムを使用することで、固着して取れないような汚れも除去可能です。
この知識はシャワーヘッドだけでなく浴室やトイレ、キッチンといった箇所にできる黒カビや水垢、頑固な油汚れにも活かせます。
塩素系洗剤は他の洗剤と混ぜると有毒ガスが発生するため、異なる成分の洗剤は一緒に使用しないように注意しましょう!
どの洗剤を使用する場合も、基本的にシャワーヘッドを付け置きした後に、ブラシでこする方法が一般的です。
- 各種洗剤
- ゴミ袋
- ゴム手袋
- マスク
- 毛の細かいブラシ(歯ブラシでも可)
ここでは、以下の汚れの種類ごとにシャワーヘッド掃除方法について解説していきます。
- 頑固な黒カビや皮脂汚れにはハイター
- 軽度な黒カビや皮脂汚れには重曹・オキシクリーン
- 頑固な水垢にはクエン酸
- 軽度な水垢にはお酢
- 目詰まりは毛の細かいブラシや爪楊枝
頑固な黒カビや皮脂汚れにはハイター
頑固な黒カビや皮脂が付着している場合には、洗剤の中でも特にアルカリ成分の強い「塩素系漂白剤のハイターやカビキラー」を使用します。
使用しているシャワーヘッドがメッキ仕様(鏡面仕上げ)の場合は、ハイターに付け置きすることで変色する恐れがあるため、この方法は避けましょう。
- シャワーヘッドを取り外す
- ゴミ袋の中でハイターにシャワーヘッドを付け置きする
- 歯ブラシで細かい汚れを取り除く
- 水洗いして取り付ければ完成
まずはシャワーヘッドの付け根部分を回して取り外していきます。
画像引用元/LIXIL Corporation
シャワーヘッドとホースが一体型の場合は、そのままでも問題ありません。
次は付け根についている水漏れ防止用のゴムパッキンを取り外した後に、シャワーヘッドをゴミ袋の中に入れます。
シャワーヘッドが十分浸かるほどの水を入れ、ハイターを混ぜて浸け置きします。
ハイターの量は使用するハイター容器に記載されている量を参考にしますが、多少前後しても問題ありません。
10分ほど浸け置きした後にシャワーヘッドを取り出し、ブラシで水洗い前に全体をこすっていきます。
汚れが全く取れない場合には、付け置き時間を少し長めにしてみるといいでしょう。
汚れがブラシだけで取りにくい場合は爪楊枝を使用する方法もおすすめです。
最後に水でしっかり洗い流せば掃除完了です。
軽度な黒カビや皮脂汚れには重曹・オキシクリーン
こちらも、メッキ仕様以外のものが対象となります。
軽度な黒カビや皮脂汚れには、弱アルカリ性の重曹やオキシクリーンがおすすめです。
- シャワーヘッドを取り外す
- ゴミ袋の中で重曹にシャワーヘッドを付け置きする
- 歯ブラシで細かい汚れを取り除く
- 水洗いして取り付ければ完成
基本的にハイターと掃除方法は同じであり、付け置きの際に溶かす量は1リットル当たり重曹で大さじ2杯となります。
オキシクリーンは容器に記載されている量を目安にしてみましょう。
付け置きする際には汚れに反応しやすくするため、なるべく水ではなく40℃程のお湯を使うようにします。
放置する時間は汚れの状態にもよりますが、1時間程度が目安です。
付け置き後はブラシで汚れを取り除き、水洗いすれば掃除完了です。
オキシクリーンや重曹はさまざまな汚れに効果があるため、ゴミ袋ではなく、浴槽に水を溜めて洗面器やバスチェア、風呂フタなども一緒にまとめて浸け置きする方法もおすすめですよ!
頑固な水垢にはクエン酸
頑固な水垢を除去する場合、酸性成分のもので浸け置きすると汚れが分解されて掃除しやすくなります。
- シャワーヘッドを取り外す
- ゴミ袋の中でクエン酸にシャワーヘッドを付け置きする
- 歯ブラシで細かい汚れを取り除く
- 水洗いして取り付ければ完成
クエン酸を使用したシャワーヘッドの掃除方法は、先に紹介した重曹の掃除方法と全く同じです。
水に溶かすクエン酸の容量は1リットルあたり大さじ1杯前後が目安となり、付け置きする時間は1時間ほどにしましょう。
軽度な水垢にはお酢
クエン酸がない場合には同じく酸性成分であるお酢も効果的です。
クエン酸と同じ掃除手順で作業を進めていくのですが、お酢の量は1リットル当たり200ml前後が目安となります。
メッキ素材は変色などが置きやすいため10分以内と短時間の浸け置きにしましょう。後ほど紹介するおすすめ商品「シャワーヘッドつけ置きキレイ」であればメッキ素材でも浸け置き可能です。
目詰まりは毛の細かいブラシや爪楊枝
シャワーヘッドの目詰まりは、付け置きした後に毛の細かいブラシや爪楊枝を使用して汚れを取り除きます。
どうしても散水板内部の汚れが気になる方は更に散水板もバラシてしまい分解できるのですが、方法はメーカーごとに異なるため、取扱説明書を確認しましょう。
分解した場合、水漏れを防ぐパッキン等が無くならないように注意しましょう。
例としてTOTOの「THYC78」の場合は以下のように散水板を取り外せます。
画像引用元/YOUTUBE|水まわりチャンネル
水を拭き取った後に散水板のみを半時計回りに回すと取り外せます。
分解できないタイプの商品もあるため、必ず取扱説明書を事前にチェックしましょう。
シャワーヘッドだけでなく、浴室の天井やゴムパッキン、床など全体的に汚れている場合は「風呂掃除 業者」に依頼するのもおすすめです!15,000円前後で依頼可能ですよ!
シャワーヘッド掃除におすすめの便利アイテム
シャワーヘッドの掃除方法について紹介してきましたが、ここでは掃除を楽にするおすすめの便利アイテムについて解説していきます。
より細かい汚れの除去ができるようになりますので、ぜひ試してみてください。
セリア|シャワーの穴ブラシ
画像引用元/百円図鑑.com
シャワーの穴掃除専用のブラシで、一袋6本入りとなっています。
細い針金が使用されており、0.8㎜以上の穴であればどのメーカーであっても使用できます。
6本入りで110円(税込)と安いのも魅力的です。
3M|鏡磨き スコッチブライト バスシャイン
画像引用元/3Mジャパン
超微細な研磨粒子が使用されたシートが付いており、シャワーヘッドや鏡のウロコ取りも可能です。
洗剤は必要なく、掃除箇所に水をかけてツルツルとした面で優しくこすります。
シートは張り替えることもできるため経済的です。
シャワーヘッドには使用できないものの、鏡の頑固な水垢用のストロングタイプもあります。
3Mの鏡磨きスコッチブライトバスシャインは458円(税込)となります。
コジット|シャワーヘッドつけ置きキレイ
画像引用元/株式会社コジット
シャワーヘッドつけ置きキレイは付け置きタイプの洗浄剤であり、クエン酸と乳酸成分により細部の汚れまで徹底的に洗浄できます。
使用方法も洗剤を水に溶かすだけなので、とても簡単であり、洗面台やキッチンでも使用可能です。
コジットのシャワーヘッドつけ置きキレイは5袋入りで550円(税込)となります。
問い合わせしたところ、メッキ素材でも浸け置き可能とのことでした。
シャワーヘッドを汚れにくくする普段のお手入れ方法
シャワーヘッドの掃除方法について解説してきましたが、普段から2つのポイントを意識すれば汚れにくくできます。
- なるべく水気を残さないようにする
- 浴室全体の換気を行う
シャワーヘッドだけでなく、浴室全体の黒カビや水垢の発生を防げますのでぜひ試してみてください。
なるべく水気を残さないようにする
まず1つ目のポイントが浴室内に水気を残さないことです。
水垢は使用後に付着した水道水が乾燥することで固着するため、使用後に水気を拭き取れば発生を防ぎやすくなります。
浴室全体は難しいかもしれませんが、水垢が目立つ蛇口部分や鏡、シャワーヘッドだけでも水気を拭き取るようにすると良いでしょう。
水気を拭き取ることで黒カビの発生も防ぎやすくなりますよ!
浴室全体の換気を行う
使用後は換気扇を回して乾燥させれば湿度が下がり、黒カビが発生しにくくなります。
風が循環しやすいようになるべく2つの換気口を作ることを意識しましょう。
また、湿気は低い位置にこもりやすいため、シャワーヘッドは高い方の固定口に引っかけておくようにします。
最後にお湯ではなく水を浴室全体にかけることで室温を下げるだけでなく、残った皮脂や石鹸カスも流せてきれいな状態を保ちやすくなりますよ!
シャワーヘッドに関するよくある質問
最後はシャワーヘッドに関する2つの質問に答えていきます。
- シャワーヘッドの外し方は?
- シャワーヘッド掃除の頻度は?
どちらも普段の掃除やお手入れに役立つ内容ですので、参考にしてみてください。
シャワーヘッドの外し方は?
シャワーヘッドの外し方はホースとの接続口にある部分を掴み、シャワーヘッドを半時計の方向で回します。
ほとんどのメーカーはこの方法で取り外せますが、中にはホースとシャワーヘッドが一体となったものもあるため、回らない場合は無理して開けないようにしましょう。
先端の散水板は同じく回して取り外すか、ボルトを外すことで取れるタイプのものがあります。使用しているメーカーの取扱説明書を確認してみてください。
シャワーヘッド掃除の頻度は?
シャワーヘッドの掃除頻度は月に1回が目安となります。
使用環境にもよりますので、あまり汚れが気にならない場合は2ヵ月に1回でも問題ありません。
ただし浴室は湿気が高くカビが発生しやすい環境であるため、なるべくこまめに掃除するようにしましょう。
まとめ
今回はシャワーヘッドの掃除方法について解説してきました。
シャワーヘッドは皮脂汚れや石鹸カスが付着することがあり、長期間お手入れをしないままでいると黒カビの繁殖や水垢の固着の恐れがあります。
シャワーヘッドの細かい隙間や内部まで洗浄するためには、汚れに効果的な洗剤に浸け置きする方法がおすすめです。
今回紹介した洗剤を使い分けて、シャワーヘッドをキレイない状態で保てるようにしましょう。
シャワーヘッドに限らず浴室全体の黒カビや水垢に困っている方は、ハウスクリーニング業者に依頼するのもおすすめです。
経験豊富なスタッフが普段落とせないような汚れを隅々まで落とし、浴室全体をリセットできます。
固着した水垢はなかなか除去できず、強くこすると素材が傷つく恐れがあるため厄介な存在です。