エアコンの掃除を自分でやるときに、フィルターだけしか掃除をしていない方は多いです。
しかし、エアコンの掃除はフィルター以外にも、水漏れの原因になりやすいドレンホースの定期メンテナンスも必要になります。
さらに、間違ったやり方をすることで、パーツを壊したり故障の原因になることがあるので注意が必要です。
今回は自分でエアコン掃除をしたいという方のために、各パーツごとの掃除方法を写真付きで丁寧にまとめました。
各パーツごとに注意点もまとめているので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
自分でエアコン掃除はどこまで出来る?
自分でエアコン掃除ができる範囲は主に以下の4箇所になります。
- フィルター掃除
- ルーバー(吹出口)掃除
- 室外機の掃除
- ドレンホースの掃除
それぞれエアコンのパーツごとに掃除の内容を確認していきましょう。
フィルター掃除
エアコンの本体カバーを外すと、すぐに見えてくるのメッシュ状のパーツがフィルターです。
エアコンの冷暖房は、室内の空気を吸い込むことで機能しています。
その際に空気中のホコリも一緒に吸い込むため、フィルターにはたくさんのホコリが溜まってきます。
またフィルターの掃除を怠ると、溜まった汚れが空気の吸い込みを邪魔する可能性が高くなってしまいます。
そうなると冷暖房の機能に影響も出るため、快適に過ごすためには定期的に清掃が必要な箇所になります。
ルーバー(吹出口)掃除
次にエアコンの吹き出し口にあたるルーバーも汚れが溜まりやすい箇所です。
ルーバーにはホコリも多少溜まっていきますが、カビが発生しやすい箇所にもなります。
エアコンの機能には影響しなさそうな場所ですが、放置すると臭いの原因になることがあります。
さらに、カビによる健康面での影響が不安になるため定期的な清掃が必要な箇所になります。
室外機の掃除
室外機はベランダなどの屋外に設置されているため耐久性のある設計になっているため、基本的にメンテナンスは不要という意見もあります。
ただし、冷暖房の機能に影響する熱交換を行っているため、裏側や横側についているフィンの部分に汚れが溜まっている場合は掃除してあげた方がいいです。
素人では掃除できる範囲がかなり少ない箇所にはなりますが、後ほど詳しい掃除方法について解説していきます。
ドレンホースの掃除
ドレンホースは室外機付近に設置されているホース状のパーツで、エアコン内部で発生した水を外に排出する役割をします。
ドレンホースは屋外にむき出しになっているため、内部に汚れが溜まってしまうことがあります。
それが原因で、エアコンから水漏れをすることがあるので定期的なチェックは必要な箇所です。
水漏れトラブルのときの対処法がわかるので、後ほど掃除のやり方をご紹介しますね。
エアコン掃除の内部洗浄にスプレーはNGな3つの理由
ネット検索すると、1,000円〜2,000円でエアコン専用の洗浄クリーナー販売されているのをよく目にしますよね。
実はこの洗浄クリーナーは、プロの業者からすると「使わない方がいい」と答える方が非常に多いお掃除グッズの一つです。
くらしのマーケットの公式YouTubeでも、エアコンクリーナーを使った掃除についてプロ230人中186人が「NG」と回答しています。
その理由について次の3つにまとめましたので確認していきましょう。
カビ汚れがさらに悪化する
エアコン専用の洗浄クリーナーは、業者がおこなう高圧洗浄ほど水圧がありません。
そのため、エアコン内部の汚れが完全に落としきれない状態になります。
さらに、エアコン内部に残留したスプレーの成分がカビの繁殖を促す可能性もあります。
スプレーの成分と混ざった汚れがスライム状になることで、ドレンホースに詰まる可能性も。
一時的に臭いなどは改善するかもしれませんが、逆に悪化させるリスクがあるのでNGと考える業者が多いということですね。
故障の原因になる
洗浄スプレーは電気系統が関係するパーツにかかってしまうリスクがあります。
最悪の場合は発火することもあるため、知識が無いと非常に危険です。
また、各パーツのサビの原因になることもあるため、リスクを考慮すると使わない方が良いということですね。
結局コスパが悪い
仮に洗浄スプレーを1,000円で購入して、一時的にエアコンの臭いが消えたとします。
しかしこの状態ですと完全に汚れが落ちていないため、1ヶ月後にまた臭いが再発する可能性が高いです。
結果的にプロの業者に依頼するとなると、時間と労力が無駄になるためコスパが悪くなってしまいます。
はじめから業者に依頼しておけば良かった、となる可能性が高いので洗浄スプレーはおすすめできないということですね。
エアコンのフィルターを掃除するやり方
まずエアコンのフィルター掃除の仕方について解説していきます。
フィルターは、エアコン掃除の中では一番取り掛かりやすいパーツになります。
初めての方は、こちらでご紹介するフィルター掃除からぜひ実践してみてくださいね。
必要な道具
・乾いたタオル(雑巾)
・浴室のシャワー
フィルター掃除に必要な道具は上記の3つになります。
タオルは使い古したボロボロのもので構いませんが、必ず乾いたタオルを用意してください。(雑巾でも可)
浴室のシャワーはフィルターを洗い流す際に使用します。
掃除の手順
- 本体のコンセントを抜く
- 本体の前面にあるパネルを開ける
- フィルターをつけたまま掃除機
- フィルターを外す
- フィルターの裏側からシャワー
- 乾いたタオルで優しく拭く
- 日陰で十分に乾かす
まずは万が一に備えて、エアコン本体のコンセントを抜きます。
次にエアコン本体の前面パネルを開けます。
通常の壁掛けタイプのエアコンであれば、写真のようにフィルターがすぐに見えてきます。
このときすぐに取り外すと、その衝撃でフィルター表面のホコリが散らかってしまいます。
可能であれば、まずはフィルターを付けたままの状態で掃除機をかけるようにすることをおすすめします。
もし難しい場合は無理して掃除機を使わなくても大丈夫です。(安全第一)
掃除機である程度のホコリを吸ったら、フィルターを取り外しましょう。
完全に落ちきれていないホコリはお風呂のシャワーを使って落としていきます。
このとき、シャワーで完全にホコリが落ちない場合は、洗剤とスポンジを使って洗ってください。
なおフィルターはプラスチック製でツメの部分が壊れやすいため、洗うときは丁寧に扱いましょう。
シャワーを使って綺麗にホコリが落ちたら、乾いたタオルで濡れたフィルターを拭いていきます。
タオルで吹くときは、強くこするとフィルターを破損してしまう可能性があります。
優しく上から「ポンッポンッ」と押さえるようにして水分を吸収させるイメージで行いましょう。
ある程度の水分を拭き取ることができたら、フィルターを乾かしていきます。
濡れた状態でエアコン本体に戻すと、カビや雑菌の繁殖につながってしまいます。
完全に乾かしてから本体に戻すようにしましょう。
フィルターが乾くまでエアコンの使用ができないので、春や秋頃など過ごしやすい時期に掃除するのがおすすめです。
注意点
フィルターはプラスチック製で薄くて割れやすいパーツになるため、作業する際は優しく扱うように気をつけましょう。
力を入れて無理に外そうとしたり、乱暴に扱うとフィルターのツメなど弱い部分が割れる原因になってしまいます。
また、濡れた状態で本体に戻すと故障の原因やカビの温床になるため、必ず乾いた状態で戻すようにしてくださいね。
エアコンのルーバー(吹出し口)を掃除するやり方
次にルーバー掃除の仕方について解説していきます。
ルーバーは風の吹出口にあたる場所で、黒い汚れがついている場合は以下の手順で掃除をしてみてください。
必要な道具
・輪ゴム
・キッチンペーパー
・水(もしくは説明書に記載されている使用可能な洗剤)
ルーバー掃除に必要になる道具は以上の3つです。
3つ目の洗剤については、おそらくキッチンの中性洗剤でも可能です。
しかしメーカーによってはNGの機種もあるかもしれないため、必ず説明書を確認するようにしてください。
今回は洗剤を使用せずに水で代用していますので、具体的な手順を見ていきましょう。
掃除の手順
- 本体のコンセントを抜く
- 閉じたルーバーを手動で開く
- 掃除用の棒を作成
- 汚れている箇所を拭き取る
フィルター掃除のときと同様に、まずは万が一に備えてエアコン本体のコンセントを抜きます。
本体のコンセントを抜いたら、手動でルーバーを開いてください。
このとき、無理に力を入れてしまうと故障の原因になってしまいます。
可動範囲があるため、ルーバーが動く範囲で開くようにしてください。
ルーバーを開いたら下の写真のような状態になります。
ここまでできたら、ルーバーお掃除の準備が完了です。
ルーバーを開いたら、次はお掃除棒を作成していきます。
といっても作り方はとてもシンプルで、割り箸にティッシュを巻きつけて輪ゴム固定したら完成です。
お掃除棒は完成すると下の写真のような形になります。
ちなみにお掃除棒はルーバー以外の場所でも使えるので、作り方を覚えておくと便利ですよ。
次にお掃除棒を使ってルーバーを拭いていきます。
このとき、フィルター掃除のときと同様に優しく力を入れ過ぎないように拭き取るようにしましょう。
ルーバーは黒カビが付着しやすい場所になっています。
綺麗にしておくことで、嫌なニオイの発生も防ぐことにつながるので定期的にお掃除しておきましょう。
注意点
ルーバーは稼働ができる範囲の限界があります。
手動で開くときは軽い力で動かせる範囲にとどめるようにしてください。
また機種によってはルーバーが固くて動かせない場合があます。
この場合は無理やり動かすと故障させてしまう可能性があるため、くれぐれも気をつけて作業するようにしましょう。
エアコンの室外機を掃除するやり方
エアコン本体側の掃除が終わって、余裕がある方は室外機の掃除もチャレンジしてみてください。
とはいえ、室外機は基本的に表面や周辺の掃除をする程度しかできません。
できる範囲での掃除になるため、具体的な室外機の掃除のやり方を解説していきますね。
必要な道具
・ほうき
・ちりとり
上記の道具を使って掃除をしていきますが、主に室外機の表面についた汚れを落としていく作業になります。
また周辺に落ち葉などのゴミが溜まっているとエアコンの冷暖房の機能に影響が出てくるため、ほうきとちりとりを使って掃除していきます。
掃除の手順
- 本体側のコンセントを抜く
- 表面・裏側・側面の汚れを落とす
- 周辺のゴミを掃除する
室外機を掃除をするときも、万が一に備えてエアコン本体のコンセントを抜いておきます。
基本的に室外機はメンテナンスをしなくても問題ない設計になっています。
そのため、個人で掃除をするのは室外機の背面側と側面側のフィン(網状のパーツ)だけです。
使い古した歯ブラシなどを使って、下の写真のようにフィンの隙間に詰まった汚れを落としていきます。
このとき、室外機の本体周りにゴミが落ちている場合は掃除をしておきましょう。
ちなみに、室外機の周りに大きな荷物などを置くと、熱交換器が上手く動作せずに冷暖房が効かなくなるので注意しましょう。
お掃除をする際は、近くに大きな荷物を置かないようにしておいてくださいね。
注意点
室外機は住宅の状況によって、玄関付近に設置されていることがあります。
また、物件の壁側の高い所に設置されているケースもあるため、設置箇所によっては掃除ができません。
さらに、室外機は無理に本体を動かすと故障させてしまう原因になります。
室外機の掃除をする場合は、無理をせずに可能な範囲で実施するようにしましょう。
エアコンのドレンホースを掃除するやり方
最後にエアコン本体の水を排出してくれるドレンホースの掃除の仕方を紹介します。
ドレンホースは排出口が地面に接していることが多く、汚れが入りやすくなっているためつまりの原因になることも。
詰まってしまうとエアコン稼働時に水漏れの原因となってしまうため、たまにチェックしておきたい掃除箇所になります。
必要な道具
・輪ゴム
・キッチンペーパー
(・ドレンホースクリーナー)
使用する道具は、ルーバー掃除で使用したお掃除棒を再利用しても問題ありません。
ちなみに、ドレンホースの内部の汚れをかき出せるものであればお掃除棒以外の道具でも大丈夫です。
ただし、ドレンホースは壊れやすいパーツになるので、傷がつかないような優しい道具が好ましいですね。
掃除の手順
- 掃除用の棒を使って汚れをかき出す
- かき出した汚れを掃除する
室外機を掃除するときに、一緒にドレンホースが汚れていないかチェックしましょう。
やり方はルーバー掃除のときに使用したお掃除棒を使うのがおすすめ。
ドレンホースはエアコン本体の内部に溜まった水分を排出する役割があります。
そのため、ホースがゴミで詰まってしまうと本体側から水漏れする可能性がでてくるのでしっかり汚れをかき出してください。
経年劣化したドレンホースはとても割れやすいので、優しく扱うようにしてくださいね。
注意点
ドレンホースが完全に汚れで詰まっている場合は、ドレンホースクリーナーが必要になります。
ホームセンターやAmazonなどで1,000円〜2,000円で購入可能な商品で、大きめの注射器のような形状で汚れを吸い出すような機器です。
ちなみに賃貸物件のエアコンから水漏れをした場合、管理会社からは自身でドレンホースクリーナーを使って詰まりを解消してくださいと案内されることが多い箇所です。
ドレンホースの詰まりが起こる機会は少ないかもしれません。
しかし、万が一エアコンから水漏れをした場合は上記の流れで対処できるようにしておくことをおすすめします。
自動お掃除機能付きエアコンの掃除のやり方
自動お掃除機能付きのエアコンはフィルター掃除を自動で実施してくれます。
しかし、フィルターもしばらく放置しておくと汚れが溜まることがあります。
また、フィルターの汚れを溜めておくダストボックスというパーツは、機種によっては定期的な掃除が必要です。
こちらでは自動お掃除機能付きエアコンの掃除のやり方を詳しく解説していきますね。
必要な道具
・乾いたタオル(雑巾)
・浴室のシャワー
自動お掃除機能付きエアコンの掃除に必要な道具は、フィルター清掃に使う道具と同じになります。
それでは具体的な手順を見ていきましょう。
掃除の手順
- 本体のコンセントを抜く
- 本体前面のパネルを開ける
- ダストボックスを外す
- フィルターを外す
- 各パーツのホコリを掃除機をかける
- フィルターの裏側を浴室シャワーで流す
- 影干しで完全に乾かす
通電している状態だと危険なため、万が一に備えてエアコン本体のコンセントを抜きます。
まずはエアコン本体の前面パネルを開けてください。
開けると下の写真のような状態になります、フィルターは奥の方にあるためすぐには見えないですね。
今度はフィルターを外していきます。
フィルターはプラスチック製のため、強い力が加わるとすぐに割れてしまうので慎重に扱いましょう。
次にダストボックスを外していきます。
ダストボックスは、エアコンの自動お掃除機能で溜まった汚れを溜めておくパーツです。
ダストボックスを取り外してみると、こんなに汚れが溜まっていました。
自動お掃除機能付きのエアコンでも、ダストボックスは定期的にお掃除が必要な場所になります。
パーツの取り外しが終わったら、掃除機を使って本体側の汚れを吸い取っていきます。
ただし、最近はコードレスタイプの掃除機が多いため、作業が難しい場合はこの作業は飛ばしても大丈夫です。
次に取り外したフィルターの汚れを掃除機で吸い取っていきます。
後ほどシャワーを使って綺麗にしていくため、ここでは大雑把に吸い取るくらいで大丈夫です。
ダストボックスも同様に掃除機で汚れを吸い取っていきます。
ダストボックスも後ほどシャワーで綺麗に流していくため、ある程度の汚れが落ちたらOKです。
フィルターとダストボックスはシャワーで綺麗に汚れを落としていきます。
フィルターは表側にたくさん汚れが付着しているため、裏側から流すようにすると落ちやすいです。
ダストボックスもシャワーで流していきます。
なおフィルターとダストボックスの汚れがシャワーで落ちないときは、洗剤とスポンジを使って掃除をしても大丈夫です。
シャワーが終わったら、各パーツを乾いたタオルで水分を拭き取っていきましょう。
エアコンのパーツはプラスチック製で意外と壊れやすいので、タオルで優しく押さえるように拭き取ってください。
各パーツの水分がある程度取れたら、日陰で干していきます。
直射日光で乾かしてしまうと、パーツの劣化につながるため必ず日陰で乾かすようにしてください。
なおパーツを濡れた状態でエアコン本体に戻すと故障の原因になるので注意しましょう。
注意点
自動お掃除機能付きエアコンの各パーツもプラスチック製になります。
力を入れるとすぐに割れてしまうため、掃除をするときは優しく丁寧に扱うようにしましょう。
また、自動お掃除機能付きエアコンは、各メーカー機種によって構造が異なります。
作業に入る前に、必ず取扱説明書の内容を確認してから掃除をするようにしてくださいね。
まとめ
今回ご紹介した、エアコン掃除を自分でやる方法についての内容で、重要なポイントについてまとめました。
- 自分でエアコンの分解はしてはいけない
- エアコン用洗浄スプレーは基本NG
- 各パーツは割れないように優しく取り扱う
上記のポイントを守りながら、ぜひエアコン掃除にチャレンジしてみてくださいね。
自分で掃除をするのは面倒だ、難しいと感じた方は、プロのエアコンクリーニング業者に依頼するのもおすすめです。
当サイトではエアコンクリーニング業者のおすすめ情報についても紹介しているので、比較検討してみると良いでしょう。
今回の記事内容があなたの参考になれば幸いです。
「自分でエアコンの掃除をしたいけどやり方がわからない。」
「エアコンってフィルター以外にも掃除が必要なのかな?」
「なぜエアコン用の洗浄スプレーは使うのNGなの?」