木材を食べるシロアリは、倒木などを分解して土に還す自然界には欠かせない益虫です。
ですが、もし自宅に出てしまったら、住宅にダメージを与える厄介な存在となってしまいます。
今回はそんなシロアリ対策について詳しく紹介。
自分でできる予防と費用相場、対策などについても説明していきたいと思います。
ぜひシロアリ対策の参考にしてみてください。
シロアリの基礎知識
シロアリとは、白色もしくは黄白色の体を持った昆虫です。
名前に「アリ」という言葉が付いていますが、実際はゴキブリの仲間に分類されます。
また、普通の黒アリとシロアリは天敵関係なのです。
そんなシロアリは木材や断熱材を餌とするため、住宅やその付近で繁殖してしまうと建物の寿命に関わってきます。
とくにアカマツなどの木を好んで食べ、年輪の間の水分を含んだ柔らかい部分が好物です。
一度でも被害にあった木材は元の状態には戻りませんし、木材の耐力性などを発揮できなくなってしまいます。
シロアリの種類
シロアリの生息地は熱帯から亜寒帯までと幅広く、日本でも23種類の生息が確認されています。
一言でシロアリと言ってもすべてのシロアリが建物に被害をもたらすわけではありません。
このうち、建物に被害を与えるものが4種類で、ヤマトシロアリ、イエシロアリ、ダイコクシロアリ、アメリカカンザイシロアリ。
以下見やすいように表にまとめています。
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被害 | 羽アリ | 兵アリ | 生息地 | |
---|---|---|---|---|
ヤマトシロアリ | 日本でもっとも被害件数が多い | 黒っぽい羽アリ | 頭部が大きく、長方形 | 湿った木材など |
イエシロアリ | 大きな被害をもたらす | 細長い体をしていて、全身が茶褐色〜黄色 | 頭部がやや小ぶりで、卵型(丸形) | 自分たちで水分を運び、乾いた木材を湿らせて食べる |
アメリカカンザイシロアリ | 屋根裏や2階に入り込み、上のほうから順番に被害をもたらす | 羽が黒くてタマムシ色、頭と胸は茶色 | 頭部が円筒形、かつ大顎が発達している | 本州の各地に点在 |
ダイコクシロアリ | 頭部が大きく、大黒天の頭のように見える | 羽のフチが透明に近い暗色 | 頭部が大きく、大黒天の頭のように見える | 奄美大島以南の沖縄や小笠原諸島に生息 |
日本で被害件数がもっとも多いのが「ヤマトシロアリ」で、最大の特徴は黒っぽい羽と頭の大さです。
画像引用元/アース製薬
ほかの種類の羽アリは黄色や茶色が多いので、まずは羽アリの色で見分けましょう。
また、ヤマトシロアリの兵アリは頭部が大きく、長方形をしています。
頭部が全身の1/3を占めるので、このようなポイントで見分けてみてください。
次にイエシロアリですが、イエシロアリは先ほどのヤマトシロアリよりも甚大な被害を引き起こします。
画像引用元/アース製薬
羽アリの特徴は細長い体をしていて、全身が茶褐色~黄色。
頭部は黒色に近く、羽は黄色っぽくなっています。
また、イエシロアリの兵アリは頭部がやや小ぶりで卵型なのが特徴です。
次にアメリカカンザイシロアリは、兵アリの頭部が円筒形、かつ大顎が発達しているという特徴があります。
画像引用元/シロアリ1番!
日本にもともといるシロアリよりも大きいというのも見分け方のポイントです。
羽アリは羽が黒くてタマムシ色、頭と胸は茶色をしています。
また、柱などの木材のそばに木くずが落ちていたら、アメリカカンザイシロアリがいる可能性があります。
寒さに強いため本州の各地に点在しているため、対象地域の方は注意してみてください。
最後にダイコクシロアリですが、このシロアリは奄美大島以南の沖縄や小笠原諸島に生息します。
画像引用元/シロアリ1番!
家が倒壊するような被害にはならないものの、柱や家具などが転々と被害を受けます。
兵アリの頭部が大きく、大黒天の頭のように見るのが特徴。
羽アリは羽のフチが透明に近い暗色をしています。
シロアリの侵入経路
シロアリについて詳しく紹介しましたが、今度は「シロアリはどこから家の中に入ってくる?」疑問に思う方もいるでしょう。
シロアリの侵入経路は、主に蟻道を作って地面から侵入してくるか羽アリとして家の隙間から侵入してくるかの2種類。
特にヤマトシロアリとイエシロアリは土の中、つまり地面から侵入して来ます。
床下は換気性が悪いためじめじめしていることが多く、建物の基礎となる木材などが露出しています。
このような環境はシロアリにとってとても快適で、知らぬ間に被害が拡大してしまうのです。
また、ヤマトシロアリは4月から6月にかけて、羽アリが飛び立つ時期になります。
羽アリが侵入する場所としては浴室や天井が多いですが、家の近くにある切り株や廃材、ダンボールなども対象。
日本国内のシロアリ被害の90%がヤマトシロアリなので、特に4月から6月の羽アリには特に注意しましょう。
そのほか、コンクリートの隙間やアメリカカンザイシロアリの様に天井から侵入する場合もためシロアリ対策はとても大切です。
シロアリの生息条件
シロアリが発生しやすい環境の条件は大きく4つ。
- クロアリなどの外敵がいない
- 湿気があり、じめじめしている
- 植物の根、丸太、木材の破片などの食べ物が豊富
- 生息に必要な水分がある
このような環境下にあると、住宅がシロアリの被害を受けやすくなります。
浴室や床下、台所やトイレなど特に繁殖しやすいので注意が必要です。
住宅がシロアリ被害を受けないためにも、シロアリ対策が重要になります。
シロアリ対策は、シロアリを発見してからでは遅い場合がほとんどです。
そのため、被害にある前に行いましょう。
シロアリ対策の時期は、羽アリが飛び立つ4月から6月にかけてがおすすめです。
戸建て(一軒家)のシロアリ対策が必要な条件
戸建て(一軒家)のシロアリ対策について、どのようなことに注意すればよいか詳しく紹介していきます。
全部で5つあるため、シロアリ対策が必要な条件を参考にしてみてください。
- 木造住宅
- 鉄骨造・ 鉄筋コンクリート造・鉄筋鉄骨コンクリート造の住宅
- 建ててから5年以上経過している
- 日当たりが悪い家
- 自宅周辺にシロアリ・羽アリを見かける
木造住宅
シロアリの被害に最も遭いやすいのは何といっても木造住宅です。
被害の多い場所は土台や柱などの木材部分ですが、これは住宅を支える重要な部分のため放置したままでいると深刻な劣化の原因になります。
また、最悪倒壊する可能性も高くなってしまいます。
そのため、木造住宅に住んでいる方は注意しておきましょう。
鉄骨造・ 鉄筋コンクリート造・鉄筋鉄骨コンクリート造の住宅
木造住宅ではない方も安心はできません。
鉄骨造・ 鉄筋コンクリート造・鉄筋鉄骨コンクリート造の住宅は、木造に比べると安全性は高いです。
しかし、コンクリート住宅でも木材を使用している部分があります。
実は軽量鉄骨造、重量鉄骨造ともに、1階の床組(床を支える部材)に木材を使用していることがほとんどです。
その部分までシロアリに到達されてしまえば被害に遭います。
無縁だと思わずに気を付けておきましょう。
建ててから5年以上経過している
新築住宅の場合、ほとんどがシロアリ対策の心配はありません。
その理由は建築基準法が関係していて、新築時にはシロアリ予防対策が講じられているからです。
しかし、築5年以上経過してくると、シロアリ被害は出てきてしまいます。
防蟻処理の効果がきれ始めるころで、さらに10年経過するとシロアリ被害が急増してしまいます。
5軒に1軒が被害にあうとの報告もあります。
「築浅だから安心」などと安心せずに、しっかり予防と対策が必要です。
日当たりが悪い家
シロアリ予防には日当たりと風の通り道を確保することも大切です。
日が当たりにくく、湿気の多い場所を好むシロアリは日当たりが悪い家が大好物。
また、屋外だけでなく家の中の風通しを良くすることも大切。
床下に通気口を設けたり、調湿効果のあるものを設置たりという対策が重要です。
自宅周辺にシロアリ・羽アリを見かける
家の周辺にシロアリや羽アリを見つけた方も要注意。
シロアリは普段から目に付く場所で発生することはありません。
そのため見つけたときにはすでに家が被害にあっているということも。
侵食スピードも早いため、シロアリは事前対策がとても大切です。
シロアリ予防は無駄じゃない!自分でできる対策
シロアリ対策が必要な条件に付いて紹介しましたが、今度は自分でできるシロアリ対策について紹介していきます。
「シロアリを寄せ付けないためには?」「自分でしても無駄じゃないの?」と迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
自分でできるシロアリ対策を屋外・屋内に分けて紹介します。
家の外でやるべき対策
まずは家の外でやるべき対策を5つ紹介します。
自宅で当てはまる条件がないかチェックしてください。
- 庭に木材やダンボールを置かない
- 床下換気口をふさがない
- 家の周りを鉢植えなどの物でふさがない
- シロアリが苦手な植物を植える
- シロアリ予防・駆除スプレーを使用する
庭に木材やダンボールを置かない
まずは庭や家の周りに不要なものを置いていないかチェックしてください。
特にシロアリは木材やダンボール、畳などの木質材料が好物です。
餌になるものがある場所を見つけると、仲間に知らせて大群でやってきます。
そのため、木材やダンボールなどを長い間放置していないか確認し、不要なものはすぐに撤去していきましょう。
床下換気口をふさがない
住宅の床下は湿度が上がり、じめじめとした環境下になりやすいです。
そのため、床下換気口の前に荷物などを置いてしまうと換気がうまくできずに、シロアリが好む環境になってしまします。
床下換気口が住宅に設置されている方は、効率的な換気ができるようにきれいに整理しましょう。
家の周りを鉢植えなどの物でふさがない
換気口をふさがないことも大切ですが、換気口がないお家も家の周りに物を置かない方が良いです。
通気口など、風の通りを遮ってしまうとどうしても湿度の高い環境下になってしまいます。
また、物だけでなく、雑草などで基礎が覆われてしまう状態も注意が必要です。
植栽で基礎を隠すことがないように注意しましょう。
すぐにできる対策ばかりなので、家の周りに物が多く置かれている場合はすぐに撤去するようにして下さい。
シロアリが苦手な植物を植える
シロアリには特定の植物や木材を忌避する傾向があります。
そのため、シロアリが苦手な植物を植えることでシロアリ対策をすることもできるのです。
シロアリが苦手な植物でオススメなのは、シロアリの苦手な香りもしくはシロアリに有効な防虫成分が含まれていることです。
おもに家庭菜園や庭木など自宅でも育てられる植物や、アロマオイルなどで入手しやすいものは「ハッカ」と「シナモン」。
ハッカはシロアリをはじめさまざまな昆虫が苦手とするものです。
繁殖力が強いため、初心者でも比較的育てやすい植物なので安心して育てることができます。
一方、シナモンは有効成分としてシロアリ用の忌避・殺虫スプレーにも使用されています。
観葉植物として自宅で生育可能で、艶やかな葉を持ち高さもあるので見た目も美しい植物です。
しかし、注意してほしいのはどの植物においても、植えたからといって100%シロアリが来ないわけではありません。
家全体が守られるわけではないため、予防のひとつとして知っておく程度にしましょう。
シロアリ予防・駆除スプレーを使用する
シロアリの予防・駆除スプレーは、ホームセンターなどで気軽に購入できる商品です。
自分でできるシロアリ対策商品として人気。
シロアリに効果のあるスプレーは、予防目的と駆除目的と2つに分けられます。
予防を期待する方はシロアリの嫌う忌避性のあるスプレーがおすすめ。
一方、駆除目的の方は成分によって効果が異なります。
速攻性のあるものから遅効性のものまでさまざまで、ペットや人にも毒性がある成分もあるためよく確認しておくことが大切です。
また、シロアリスプレーを使う時期ですが、シロアリは1年中活動しています。
そのため基本的にいつ使ったらNGというのはありません。
シロアリの駆除時期は1年中、とにかく見つけた時点で駆除することをおすすめします。
ただ、シロアリ予防をするなら、シロアリが活発に活動する4月から9月下旬あたりがおすすめ。
シロアリの種類によって活動時期は多少異なりますが、繁殖期に散布することでより効果を期待できます。
家の中でやるべき対策
次に家の中でやるべきシロアリ対策について詳しく紹介します。
すぐにできるものばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
- 雨漏りや水漏れがないか確認する
- 窓や床に隙間がないか確認する
- 風通し・日当たりをよくする
雨漏りや水漏れがないか確認する
自宅が雨漏りや水漏れがある場合、内部に雨水が侵入してシロアリの好むじめじめした環境下になりやすいです。
そのため、壁紙や天井に雨漏れや黒ずみ、しみが発生していないかをしっかり確認するようにしましょう。
また、このような状況になってしまうとシロアリの駆除だけではなく、住宅の修繕にも多額の費用がかかってしまいます。
定期的に住宅の点検とシロアリ対策を行い、住宅に大きな被害が出ないように対策することが肝心です。
窓や床に隙間がないか確認する
シロアリの侵入経路でも紹介しましたが、シロアリは床下や窓から侵入します。
そのため、隙間などがあるとシロアリが簡単に侵入してしまう恐れがあります。
自宅の点検もかねて、隙間がないかをしっかり確認しておきましょう。
風通し・日当たりをよくする
シロアリ対策で重要なのは、シロアリが好む環境を作らないことです。
シロアリの被害が建物で最も被害を受けやすい場所は玄関と浴室。
この2か所は、地面と接した床張り構造となっているため、シロアリが直接上がってきやすく被害がとても多いです。
できる限り浴室は24時間換気し、風通しを良くして乾燥するように気を付けましょう。
ホームセンターで購入できる!おすすめのシロアリ予防剤・防除剤5選
シロアリ対策グッズはホームセンターでも可能です。
コメリやカインズなどのホームセンターで購入できるものが多いため、気になる方は早めに購入しましょう。
「シロアリスプレー床下」や「ワンプッシュ」タイプのものまで幅広くそろっています。
これらのシロアリスプレーは効果や屋外・屋内用などさまざま。
そのため用途に合った商品を選択していきましょう。
フマキラー「シロアリジェットプロ」
画像引用元/フマキラー
フマキラーのシロアリジェットプロは、プロが認めた「殺虫・長期予防・木材防腐」のトリプル効果が期待できる商品です。
プロが愛用する薬剤を使用していて、1年の予防効果を発揮してくれます。
また、常温蒸散性殺虫剤が木材の隙間や割れ目に浸透してくれるため、隠れたシロアリもしっかり退治。
床下やすき間も簡単処理でき、約6mまで届くジェット噴射ノズルは逆さにしてもスプレーできます。
フマキラー「アリワンプッシュ」
画像引用元/フマキラー
屋外も室外も対策したい方におすすめなのは、フマキラーのアリワンプッシュ。
空間にシュッっとするだけで対策ができ、部屋中のアリをまとめて駆除できます。
また、巣穴にスプレーすると、巣穴からのアリの出入りを最大2週間防止してくれます。
直接駆除効果については、噴霧直後のみ効果を発揮。
侵入防止効果については、屋内に処理した場合最大2か月間効力が持続。
屋外の地面やコンクリート等に処理した場合、最大1ヵ月間効力が持続します。
また、巣穴の出入り防止効果については最大2週間持続と幅広い効果を発揮してくれる商品です。
アース製薬「シロアリアース」
画像引用元/アース製薬
アース製薬のシロアリアースは、速効駆除と侵入防止効果が期待できるシロアリ専用エアゾールです。
プロ仕様の速効性と持続効果にすぐれた成分を配合していて、12ヵ月間の食害予防効果が持続します。
また、連鎖駆除効果で巣のシロアリにも効果を発揮。
特殊パウダーの連鎖駆除効果で、巣にいる仲間のシロアリにも効果があります。
アイメディア「シロアリ撃退 ホウ酸スプレー」
画像引用元/アイメディア
侵入を防ぎたい場所にシュッとスプレーするだけで、ホウ酸の力を発揮してくれるのがアイメディアの「シロアリ撃退 ホウ酸スプレー」。
木材を守り、巣ごと撃退してくれます。
シロアリはゴキブリの仲間なので、ホウ酸が効果的。
合成殺虫剤や農薬系薬剤、VOC(揮発性有機化合物)不使用で、無香料なので安心して使用できます。
三喜工業「虫除け炭」
画像引用元/三喜工業
三喜工業の「虫除け炭」は、天然成分で虫をよせつけない商品です。
害虫が発生した場所や侵入してほしくない場所にパラパラまくだけで対策が可能。
シロアリだけでなく、クロアリやムカデ、カメ虫などにも甲があります。
また、天然素材使用で匂いはほとんど無く、子どもやペットがいる家庭でも使いやすいです。
効果が約2年持続してくれるのも魅力。
ひとつ注意してほしいのが、虫除け炭は駆除効果はありません。
シロアリなどの虫が嫌がるだけなので、駆除効果を期待する方はほかの商品を検討しましょう。
シロアリ対策に利用できる補助金について
シロアリ対策をすると自分で行うのも、業者に頼むのもどちらも費用が掛かります。
シロアリ駆除となると、どうしても20~30万円と高額になりやすいものです。
そのためここではシロアリ対策に利用できる補助金について詳しく紹介していきます。
- 基本的にシロアリ対策に利用できる補助金はない
- 火災保険が適用される可能性も低い
- 確定申告することで、還付を受けられる可能性がある/li>
基本的にシロアリ対策に利用できる補助金はない
結論から言うと、基本的にシロアリ対策に利用できる補助金はありません。
「一部の自治体では補助金が出る」という情報もありますが、対象となるのは人や家畜に対して直接害を与える昆虫やダニ類か、毒をもっていたり病原体を媒介したりする虫です。
ほとんどの場合補助金は出ないと思った方がいいですが、詳しいルールは自治体によって異なります。
そのため、気になる方は一度住んでいる自治体に確認するのがベストです。
火災保険が適用される可能性も低い
シロアリは住宅に多大な被害を与える害虫で、被害が大きく費用もかかります。
国からの補助金がないとなると、保険金で対応できないかと疑問に思うでしょう。
しかし、シロアリのトラブルは基本的に保険適用外です。
火災保険は、火災(地震や噴火によるものを除く)、自然災害(風災・雪災・落雷など)などの場合対応ができます。
保険会社によってプランは異なりますが、いずれも不測かつ突発的な事故による損害であることが条件です。
自然災害による雨漏りで木材が腐朽し、シロアリが発生した場合には火災保険が適用されるケースがあります。
しかし、保険を適用させるには「災害が発生する前に木材の腐朽やシロアリ被害がなかったことの証明」が必要になるのです。
このような照明はとても難しいため、シロアリ駆除で火災保険が適用されるケースはほとんどないと考えた方が無難です。
確定申告することで、還付を受けられる可能性がある
補助金や助成金、保険でシロアリ駆除費用を安くすることは基本的にできません。
しかし、確定申告をすることで、シロアリ駆除費用を実質的に減らすことができる可能性があります。
この制度は「雑損控除」と言います。
雑損控除とは、財産が自然災害や火災、盗難や横領などで失われた場合に適用される制度です。
シロアリによる被害は、「害虫その他の生物による異常な災害」として雑損控除の対象になります。
ただし、確定申告で雑損控除を受けるために、次の2つの条件を満たす必要があります。
- 損害を受けた財産の所有者が納税者もしくは納税者と生計をひとつにする配偶者やその親族でその年の総所得金額が38万円以下のものであること
- 損害を受けた財産が日常生活に必要なものであること
また、確定申告をして返金されるお金は全額ではありません。
下記のうちどちらか多いほうが返金となります。
- 差引損失額-総所得額×0.1
- 差引損失額の内、災害関連支出の金額-5万円
ぜひ対象となる方はこの制度を利用して、少しでも安くシロアリ対策を行ってください。
徹底的に予防・防除するなら業者への依頼がおすすめ
シロアリ対策を自分で行う方法や、おすすめの薬剤なども紹介しました。
しかし、シロアリ対策は簡単に行えるものばかりではありません。
一度シロアリの被害を受けてしまうと、自分での駆除は格段に難しくなります。
業者に依頼する方がシロアリ対策の効果も格段に上がるとともに、労力も使わずに対策ができます。
様々な方面から考えてもシロアリ駆除 業者に頼むのがおすすめです。
ここではさらに詳しく業者に頼むメリットを紹介していきます。
- 業者に依頼することで確実な効果が見込める
- 保証やアフターサービスが付帯しているので安心
業者に依頼することで確実な効果が見込める
シロアリ対策を業者に頼むことで、確実な効果が認められるというのが一番のメリットです。
素人で行うには限界もあるため、プロの知識と薬剤を使用してもらうことで自宅をシロアリから守ってもらえます。
また、プロに頼むことで気軽に、そして安心して頼むことができますよ。
保証やアフターサービスが付帯しているので安心
業者にもよりますが、シロアリ対策を業者に注文すると保証やアフターサービスが付帯しています。
多くの場合、施工後5年の保証がついているため安心。
せっかく業者に依頼したのにシロアリ対策ができていなかった・・・。
そんな時も対応してもらえるようにこのようなサービスがあるように確認してください。
【戸建て】プロに依頼する場合のシロアリ予防の費用相場
自力での作業も可能ですが、狭い床下に入ったり危険性のある薬剤を使ったりと対処が難しいシロアリ対策。
ここでは戸建て住宅でプロにシロアリ予防を行ってもらう場合、どのくらいの費用がかかるのか紹介していきます。
100万を超える請求をされたという方もいるという口コミもあり、相場を知っておかないと後悔することも。
シロアリの駆除方法として現在主流と言えるのが「バリア工法」と「ベイト工法」です。
ここでは各駆除方法について、作業内容や効果の特徴について解説していきます。
バリヤ工法の費用相場
バリア工法とは、シロアリが潜む木部や土壌部に薬物を散布したり、穴を開けて注入したりする駆除方法です。
シロアリがいなくても、薬剤を散布して染み込ませることで予防策としても有効。
また、バリア工法はのもう一つの魅力は、シロアリ自体や巣に薬剤がすぐに行きわたりやすいということ。
駆除の即効性が特徴で、すぐに効果を発揮してほしい方にもぴったり。
しかし、薬剤を全体に散布するため、人によっては臭いを感じてしまうケースがあります。
使用する薬剤は駆除業者によって異なりますが、人や環境に配慮した安全性の高いものがほとんどなので安心してください。
そんなバリア工法の駆除費用平均は1㎡あたり2,107円(税込)となり、一軒家の駆除費用目安は以下の通りです。
- 20坪(66㎡)の場合:139,062円
- 30坪(99㎡)の場合:208,593円
- 40坪(132㎡)の場合:278,124円
ベイト工法の費用相場
ベイト工法とは毒餌を入れ込んだ専用容器を土の中に埋設した上で、シロアリに食べさせて巣に持ち帰らせて全体を駆除する方法です。
建物周りなどに1m間隔で容器を埋め込んでいくのが一般的。
シロアリが毒餌を食べて持ち帰るまでに時間がかかるため、基本的に駆除には2~3ヵ月の期間が必要になります。
そのため、即効性を求める人には向きません。
しかし、一方で薬物を大量に散布しないため、安全性をより重視したい人におすすめの工法です。
また、イエシロアリへの対策はベイト工法が最適。
ベイト工法の費用は依頼時に発生する費用と埋設した専門容器の管理費が別でかかるため、バリア工法よりも割高になります。
年間管理費を含めたベイト工法の相場は、外周1メートルあたり4,200~9,000円となります。
一軒家の場合のシロアリ駆除費用目安は以下の通りです。
- 20坪(約33m)の場合:138,600円~297,000円
- 30坪(約40m)の場合:168,000円~360,000円
- 40坪(約46m)の場合:193,200~414,000円
また、ベイト工法は地面に穴を開けて容器を埋設するため、コンクリートの場合は別途工事費用が必要になるため注意してください。
シロアリ対策を依頼できる業者3選
ここまでシロアリ対策の自分でできる予防と費用相場を紹介しました。
しかし、プロに頼んだ方が安心で労力もかからなくておすすめです。
シロアリ対策をしてくれる業者はとても多いため、どこにお願いしていいか分からない方も多いです。
ここではシロアリ対策が依頼できるおすすめ業者を3つ紹介していきます。
下記には表で分かりやすく示しているので、ぜひ業者選びの参考にしてみてください。
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シロアリ110番 | くらしのマーケット | ダスキン | |
料金 | 1,320円/㎡ | 業者により異なる | バリア工法:2,475円/㎡~ ・ベイト工法:4,092円/外周1m~ |
保証内容 | 施工後5年間の保証あり | 業者により異なる | 施工後5年間の保証・修復補償あり |
シロアリ110番
画像引用元/シロアリ110番
駆除方法 | 提携先の業者による |
---|---|
駆除料金 | 1,320円/㎡ |
現地調査・見積もり | 無料 |
追加費用の有無 | 一切なし |
保証内容 | 施工後5年間の保証あり |
対応エリア | 全国 |
シロアリ110番は、顧客満足度の高い業者です。
通常のシロアリ駆除であれば、追加料金は不要で安心して依頼することができます。
また、相談は24時間・365日可能なので忙しい方にもぴったり。
相場から見ても費用は安く抑えられるため、大手で費用を安く抑えたい方はシロアリ110番を検討してみて下さい。
くらしのマーケット
画像引用元/くらしのマーケット
駆除方法 | 業者による |
---|---|
駆除料金 | 床面積50平米:50,000〜100,000円 |
現地調査・見積もり | 無料 |
追加費用の有無 | 業者による |
保証内容 | 業者による |
対応エリア | 全国 |
くらしのマーケットは、約400種類以上ある暮らしに関するサービス業者を比較できるサイトです。
そんなくらしのマーケットでも害虫駆除/シロアリ駆除を行ってくれます。
相場よりも安く行えることが多く、柔軟に対応してもらえるのが魅力。
安いだけでなく、シロアリ駆除の資格があったり、5年保証がついていたりと安心できます。
自分でシロアリ対策を行うのは不安だが、費用を安く抑えたいという方はくらしのマーケットを検討してみて下さい。
ダスキン
画像引用元/ダスキン
駆除方法 | ベイト工法・バリア工法など |
---|---|
駆除料金 | ・バリア工法:2,475円/㎡~ ・ベイト工法:4,092円/外周1m~ |
現地調査・見積もり | 無料 |
追加費用の有無 | 一切なし |
保証内容 | ・施工後5年間の保証あり ・修復補償あり |
対応エリア | 全国 |
ハウスクリーニングや家事代行で有名なダスキンですが、ダスキンもシロアリ駆除を行ってくれます。
作業責任者は3年毎に駆除ライセンスの更新を行い、最新の駆除知識を習得というのも安心できる点です。
シロアリ予防費用はダスキンでは、バリア工法2,475円/㎡~、ベイト工法4,092円/外周1m~となっています。
大手ですが、相場相当で平均的な価格になっています。
他にも人と環境に配慮した施工を行っているため、子どもやペットがいる方にもおすすめ。
また、5年保証や修復補償なども充実していて、大手で安心してシロアリ対策を行いたい方はダスキンを検討してみて下さい。
シロアリ対策に関するよくある質問
最後にシロアリ対策に関するよくある質問について紹介していきます。
気になる疑問をぜひ解決してみて下さい。
シロアリが嫌いなものは何?
シロアリの嫌いなものは、黒アリやツバメなどの鳥類です。
他にもカエルやクモなども、シロアリを捕食すのでシロアリの天敵は実は多いのです。
しかし、ほとんどのシロアリは地面の中で活動をしているため、見つかって食べられるのはほんの一部。
また、日光や乾燥などの弱点も多いですが、一方で自ら水分を運んだり床下に住んでいたりとシロアリ自らの生命力も強いのが特徴。
そのため、嫌いなものを探すよりも、シロアリの好きなものをなくす方がシロアリ対策には効果的です。
シロアリを放置するとどうなる?
家でシロアリのようなものを見つけたが、どうしていいか分からず放置した場合いったいどうなるのか不安になる方も多いでしょう。
シロアリを数匹発見した場合でも、もうすでに多くのシロアリが潜んでいる可能性があります。
そのため早め早めに対処しないと、建物の被害が大きくなってしまいます。
シロアリは大きい規模になると一つの巣に100万匹以上集まることもあるとも言われ、かなりのスピードで家の基礎が蝕まれ被害が拡大。
放っておくとリフォーム、最悪の場合倒壊の恐れがあります。
放置し続けると家のあらゆる木材部を食べつくすため、早めに対処・予防を行いましょう。
新築の場合はシロアリ対策を何年目で行えばいい?
新築の場合はシロアリの被害を防ぐ防蟻と防腐への対応が建築基準法で定められています。
おおむね5年の保証があるため、5年目以降の対策が必要になってきます。
さらに10年経過するとシロアリ被害が急増し、5軒に1軒が被害にあうとの報告もあります。
そのため築5年が経過した建物は、シロアリ対策を見直す機会にしてみて下さい。
シロアリ駆除が必要ない家はある?
シロアリは木造住宅を中心に被害にあいます。
そのため鉄骨造や鉄筋コンクリート造に住んでいる方は安心というわけではありません。
鉄骨造・ 鉄筋コンクリート造も、基礎の部分に木材が使用されていたりします。
その部分まで到達してしまえば、シロアリの被害を受けてしまうため定期的な点検や予防が必要です。
シロアリ対策をして、健康な住まいで快適に暮らそう!
今回はシロアリ対策の自分でのやり方や費用の相場などについて紹介していきました。
最後に今回お伝えした内容で重要なポイントを5つにまとめました。
- 戸建て(一軒家)のシロアリ対策が必要な条件5つ
- 床下をできる限り換気する
- シロアリ対策は業者に頼むのがおすすめ
- シロアリ対策の相場は工法により異なる
- 新築から5年経過した建物は対策が必要
建物をシロアリから守り、安全に過ごすためにはシロアリ対策は重要です。
シロアリ対策をプロの業者に依頼することで、安心して暮らすことができます。
ぜひ、この記事を参考にプロのシロアリ業者選びを行ってみてください。
そのため放置すると建物に大きな被害をもたらしてしまうのです。