マンション価格の推移まとめ!今後の価格推移予想や価格が下がらない理由も解説
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不動産価値の下落は数年に1度取り沙汰されますが、マンションの価値は堅調に上昇しています。
そのため、マンションは「資産価値が維持されやすい不動産」というイメージがありますが、なぜ価格が下がらないのでしょうか。
この記事では、マンションの価格推移と価格が下がらない理由について、解説します。
目次
過去10年のマンション価格推移
この章では、過去10年でマンションの価格がどのように推移したのかについて、解説します。
全国のマンション価格推移
画像提供元/国土交通省
国土交通省が公開しているデータによると、全国のマンションにおける不動産価格指数は、次のようになりました。
なお、不動産価格指数とは、不動産価格の動向を指数化したデータとなっており、国際基準に基づき算出されます。
以下の表は、2010年の指数を100とした場合の推移となります。
不動産種別 | 2023年1月 | 伸び率 |
---|---|---|
土地 | 109.8 | +9.8% |
戸建住宅 | 117.6 | +17.6% |
マンション | 189.4 | +89.4% |
同データによると、過去13年間で土地は+ 9.8%、戸建ては+ 17.6%となりました。
その一方で、マンションは+ 89.4%と13年間で倍近くの価格となっており、不動産の価格上昇としては群を抜いているといえるでしょう。
首都圏のマンション価格推移
株式会社東京カンテイのデータによると、首都圏のマンション価格推移は、次のようになりました。
エリア | 2023年3月価格 | 伸び率 |
---|---|---|
首都圏(東京都) | 6,450万円 | +0.1% |
首都圏(埼玉県) | 3,051万円 | +0.1% |
首都圏(神奈川県) | 3,661万円 | ‐0.2% |
首都圏(千葉県) | 2,770万円 | ‐2.1% |
近畿圏(大阪府) | 3,104万円 | ‐0.8% |
近畿圏(兵庫県) | 2,535万円 | ‐0.7% |
中部圏平均 | 2,331万円 | +0.9% |
2023年3月には4ヶ月ぶりに首都圏のマンション価格推移が下落し、前月比-0.1%となりました。
この結果は千葉県や近畿圏の下落が影響したものと思われ、その一方で千葉県を除く首都圏に大きな変化は見られませんでした。
このことから、過去10年以上継続したマンションの価格上昇は止まったかのように思えますが、継続的な下落になるかは注視すべきといえるでしょう。
商業用不動産の価格推移
画像提供元/国土交通省
不動産は住宅とは別に、商業用テナントや事務所利用を目的とした種類もあります。
そして、国土交通省が公開しているデータによると、商業用不動産の価格推移は、次のようになりました。
不動産種別 | 2023年1月 | 伸び率 |
---|---|---|
店舗 | 146.8 | +46.8% |
オフィス | 149.5 | +49.5% |
同データによると、過去13年間で店舗は+ 46.8%、オフィスは+ 49.5%となりました。
住宅用のマンション伸び率に対しては半分程度となったものの、堅調を維持しているといえます。
この背景として、大きな土地を購入する事業形態から、コンパクトな店舗やオフィスでスモールスタートし、数年単位で業態変更するビジネスモデルにトレンドが変化したという点があります。
初期投資が少なく業態変更によるリスクが少ないことから、このビジネスモデルは今後も継続すると見られるため、商業用不動産の価格上昇は引き続き堅調といえるでしょう。
新築マンションの価格推移
株式会社不動産経済研究所が公開している「全国新築分譲マンション市場動向2022年」によると、新築マンションの発売戸数は2年ぶりに減少し、4,585戸減の72,967戸となったようです。
販売戸数が減少したものの需要自体は維持されたため、1㎡あたりの価格は上昇する結果となりました。
こういった価格上昇のトレンドは過去10年間においても確認することができ、同データでは次のようになりました。
エリア | 2013年価格 | 2022年価格 | 伸び率 |
---|---|---|---|
首都圏 | 4,929万円 | 6,288万円 | +27.5% |
近畿圏 | 3,496万円 | 4,635万円 | +32.5% |
全国平均 | 4,174万円 | 5,121万円 | +22.6% |
過去10年において、各都市部での新築マンション価格は上昇傾向にあり、全国平均では5,000万円を超える結果となりました。
このことからも、新築マンションを購入検討する際には、どの時期に購入するのかで価格が大きく変わる可能性があるといえます。
マンション価格が下がらない理由
マンション価格は新築、中古、商業用に関わらず上昇傾向にありますが、そもそもなぜ価格上昇しているのでしょうか。
その理由としては次の4つがあります。
- 住宅ローンの低金利
- 共働き夫婦の増加
- マンションの供給減
- 地価の上昇
この章ではそれぞれの要因について、詳しく解説します。
住宅ローンの低金利
2023年4月9日付けで植田氏が日銀総裁に就任し、これまでのゼロ金利政策が大きく変化するのではと、注目を集めました。
しかし、植田氏の会見では「ゼロ金利政策を当面継続する」との発言があり、これに伴って住宅ローンの低金利も継続することになりました。
その結果、住宅購入の需要は維持されることになり、マンションにおいても売却しやすい市場が継続しています。
このような需要の増加は、マンションの価格上昇の大きな要因といえるでしょう。
共働き夫婦の増加
厚生労働省のデータによると、2019年時点の共働き夫婦は1,245万世帯となり、10年連続で増加しています。
これにより世帯年収が増加し、首都圏では夫婦共に年収1,000万円を超える「パワーカップル」も珍しくなくなりました。
また、共働き夫婦は住居において「立地」や「家屋の機能性」を求める傾向にあるため、マンションを選ぶ傾向にあります。
このような背景はマンションの需要増加に繋がるため、共働き夫婦の増加はマンション価格上昇を促進させる要因になり得るでしょう。
マンションの供給減
前述した通り、新築マンションの供給数は2年ぶりに減少しました。
その一方で、マンションの需要は住居、商業用共に維持しており、需要と供給のバランスからマンション価格は上昇する傾向にあります。
地価の上昇
固定資産税の評価額を決定する公示価格において、地価変動率推移は次のようになりました。
エリア | 平成31年 | 令和5年 | 変化率 |
---|---|---|---|
全国 | 0.6 | 1.4 | +133.3% |
三大都市圏 | 1.0 | 1.7 | +70.0% |
地方圏 | 0.2 | 1.2 | +500.0% |
このことから、全国的に見ると地価は5年間で倍以上になっており、比較的地価変動の影響を受けにくいマンションであっても、影響は避けられない変動率といえるでしょう。
今後も同様の変動率で上昇した場合、マンションの価格情報にも大きな影響を与えると思われます。
今後のマンション価格推移予想
これまではマンションの価格が上昇傾向にあるという点とその理由について、解説しました。
それでは今後のマンション価格は、どのように予想できるのでしょうか。
結論からいうと、価格上昇のトレンドは維持されると思われますが、その理由について解説します。
建材高騰の影響
建築に必要な材料のうち、木材や鉄の価格が高騰していることから、マンションの原価が高くなり、その結果マンション価格は高くなります。
また、2021年にコロナの影響で起きたウッドショックや、2022年のロシアのウクライナに侵攻した影響も大きいと思われます。
こういった建材の価格高騰には輸送費など複雑な要因が絡んでいることが多く、事態が収束しても下がるまでに時間がかかるでしょう。
その結果、マンションの建築費は高止まりすると思われます。
アフターコロナの影響
コロナの影響が大きい時期にリモートワークが普及しましたが、アフターコロナになり少しずつ外で働く機会が増えてきました。
その結果、住居に「立地」や「利便性」を求める買主が増加し、駅近のマンションを中心に価格が高騰しています。
このようなトレンドは今後も継続すると思われるため、人気エリアのマンションを中心に需要は高まるでしょう。
マンションは投資物件としての価値が高い
海外は日本よりも早い段階でアフターコロナとなり、海外投資家が日本のマンションを投資物件として購入するケースが増えました。
元々マンションは資産価値が減少しにくいことから、投資用物件として注目されていましたが、日本がアフターコロナとなった段階で投資家の日本における活動が活発化しました。
その結果、マンションの成約率が増加しています。
つまり、今後も日本経済が回復するのであれば、マンションが投資用物件として購入されるケースも増えることになり、その結果販売価格は高くなるでしょう。
マンションの価格はどんなタイミングで下がるか
マンションの価格は情報傾向を維持すると予想されてますが、要因が重なれば当然下落することもあり得ます。
そのため、マンションのオーナーは下落する可能性を知っておくべきでしょう。
そこで、この章ではマンションの価格が下落する要因について、解説します。
リーマンショックによるマンション価格の下落事例
ITバブルや中国の不動産バブル崩壊など、マンションの価格は市況による影響を受けて下落することがあります。
2008年に起きたリーマンショックの際には、マンションを含む全ての不動産価格が減少しました。
既に住宅を購入していたオーナーの中には、住宅ローンを返済することができず、自己破産するケースが増えたのもこのタイミングです。
その結果、政府は住宅ローン返済負担を軽減したり遅延する特別措置を発令するなど、リーマンショックによる不動産市場への影響は非常に大きかったといえます。
つまり、今後このような景気変動が起きた場合、マンション価格は大きく下落する可能性があるでしょう。
人口の減少
総務省の発表によると、日本は2004年に人口がピークとなり、2050年には1億人を切るといわれています。
これに伴って不動産を購入検討する買主自体が少なくなり、その結果売れ残ったマンションが市場に溢れることになるでしょう。
このような状況になると当然オーナーの値引き合戦となってしまい、必然的にマンションの価格は下落します。
そのため、買主がまだ多い内にマンションを売却する必要があるでしょう。
法改正の影響
相続税や贈与税など、毎年のように税制に関わる改正案が発表されています。
現段階では富裕層にしか影響がないものの、今後は平均的な年収層においても相続税や贈与税がかかってしまうケースもあり得ます。
そうなった場合、賃貸暮らしを選択し現金をなるべく保有しておく、というリスクヘッジが増える可能性があり、マンションを購入する人は減少するでしょう。
このような法改正は2~3年前に発表されるため、常にチェックするのがおすすめです。
マンションを高く売るコツ
マンションの価格は上昇傾向ですが、その中でもさらに高く売るためのコツがあります。
将来マンションを売却する時に備え、この章で解説するポイントを押さえましょう。
メンテナンスで劣化を防ぐ
マンションを購入検討している買主は、リフォーム前提で内覧します。
そのため、内覧日までにはなるべく清掃と片付けを行い、清潔感がある状態にしましょう。
そうすることで、買主は「リフォーム費用は少なくてすむかもしれない」と感じ、購入意欲が高まります。
特に、キッチンやバスルームといった水回りをリフォームしなくてすむ場合、買主の費用負担は100万円近く少なくなるでしょう。
このように、マンションを高値で売却するためには、清掃と片付けが重要です。
売却期間に余裕を持つ
売却期間に余裕を持つことで多少相場よりも高い価格設定であっても、売却できる可能性があります。
また、無理な価格交渉を受けることなく、納得のいく売却価格での成約が期待できます。
つまり、売却期間に余裕を持つことで心にも余裕を持つことができ、買主が見つからなくともストレスを感じずに売却活動を継続できるでしょう。
複数の不動産会社の査定を比較する
マンションの査定は不動産会社は1社だけでなく、複数の不動産会社に依頼するのがおすすめです。
そうすることで適正な査定額を把握することができ、少しでも高い売却価格を設定することができるでしょう。
なお、複数の不動産会社に依頼する時間がない場合は、おすすめの不動産一括査定サイトの利用が便利です。
一括査定サイトは無料で利用することができ、一度の情報入力で任意に選択した不動産会社に査定を同時依頼することができます。
さらに、連絡希望時間や連絡手段を選択できるため、仕事終わりにメールで送ってもらった査定額をまとめてチェックするなど、ライフスタイルに合わせた査定ができるでしょう。
マンションを安く買うコツ
マンション価格が高騰する中、安く買うコツもあります。
一般的に不動産投資は「安く買い高く売る」が原則となるため、投資家はこういったノウハウを多く保有していますが、居住用物件として購入する買主にも応用することができるコツです。
そのため、マンションを購入検討する前に、この章で解説するコツをチェックしましょう。
売主について調べる
売主の素性について調べることはプライバシー保護の観点から難しいですが、売却理由は不動産会社経由でヒアリングすることが可能です。
そして、売却理由次第では価格交渉を成功させることができるでしょう。
たとえば、売却理由が「相続による換価分割」や「離婚による財産分与」、「家族への資金援助」というケースであれば、売主は売却期間を長く持つ余裕はないと思われます。
そのため、多少強めの価格交渉も受理される可能性もあるでしょう。
一方、「相続取得して使っていないマンションの資産整理」や「この金額で売れたら売る」というケースは、売主が価格交渉を受けるメリットが少なく、難しいといえます。
このように、安くマンションを購入するためにも、売却理由の確認は重要です。
物件の周辺相場を調べる
不動産会社を通さずとも、REINS Market Informationの成約事例や不動産情報サイトに公開されている物件価格を確認することで、おおよその周辺相場を知ることができます。
このような事前情報は、売主が確認する査定額の算出にも利用されるため、売主と同じ情報を持つことになります。
つまり、今後の価格交渉を進める上でも同等の立場からスタートできるため、物件の周辺相場は必ず調べましょう。
住宅ローンの事前審査を行う
住宅ローンの事前審査を行うことで、どのくらいの金利と条件で借りられるのかを把握することができます。
金融機関によっては、電気代や通信費が安くなるプランもあり、場合によっては月々のランニングコストを下げられるケースも。
このように、住宅ローン審査を受けライフプランを立てることで正しく資金計画することができ、適切な価格のマンション選択が可能となります。
マンション価格の推移まとめ
マンションの価格はこの10年間で上昇傾向にあり、アフターコロナとなった現状では継続すると予想できます。
しかし、日本経済に打撃を与えるような景気変動が起きた場合、価格が下落するケースも考えられます。
そのため、マンションの売却はオーナーとして事前準備を行い、最適なタイミングで売却できるよう、早い段階で不動産会社に相談するのが、おすすめです。