住宅ローンの手数料を比較!諸費用の相場や大手4社の計算シミュレーション結果もご紹介

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住宅ローンを組む金融機関を選ぶ際には、金利以外にも押さえておくべきポイントがあります。

特に、住宅ローンの「諸費用」は金融機関によって大きく変わるため、諸費用の相場は押さえておくべきでしょう。

そこで、この記事では住宅ローンの諸費用相場について、大手4社のローンシミュレーションを踏まえて解説します。

目次

住宅ローンの事務手数料は高すぎる?高い理由とは

住宅ローンの諸費用に含まれる事務手数料には定率型と定額型があり、定率型は借入額が多くなるにつれ高くなります。

たとえば事務手数料の定率が2.2%だった場合、借入額3,000万円では66万円、4,000万円では88万円となり、借入額によって負担額が増加してしまうのです。

一方、定額型であれば5万円前後の固定額を支払うだけですみますが、その代わり金利が高くなります。

このような理由から、定率型と定額型のどちらを選ぶべきかは、金利を含めた総支払額を見据えて検討するようにしてください。

住宅ローンの事務手数料あり・なしで料金比較

金融機関によっては事務手数料がないケースもありますが、その場合は保証料が高くなります。

保証料とは、ローン債務者が保証会社と契約締結する際にかかる費用のことで、金融機関に支払う事務手数料とは支払先が異なります。

この2つの諸費用は相関関係にあることが多く、事務手数料が不要なら保証料が高くなり、保証料が不要なら事務手数料が必要です。

以下の表は代表的な金融機関の事務手数料あり・なしについて比較していますので、参考にしてください。

金融機関 事務手数料 保証料
みずほ銀行 33,000円 不要
ソニー銀行 44,000円 不要
楽天銀行 330,000円 不要
りそな銀行(融資手数料型) 借入額×2.2% 不要

たとえば3,000万円の借入を金利0.5%で35年間借入した場合には、上記の金融機関に支払う事務手数料、保証料は次のようになります。

  • みずほ銀行:事務手数料33,000円、保証料0万円、合計33,000円
  • ソニー銀行:事務手数料44,000円、保証料0円、合計44,000円
  • 楽天銀行:事務手数料330,000円、保証料0円、合計330,000円
  • りそな銀行(融資手数料型):事務手数料660,000円、保証料0万円、合計660,000円

上記の結果から、事務手数料と保証料、総支払額とのバランスを見た上で検討することが重要といえます。

事務手数料が高い代わりに保証料が無料のケースも

前述したように、事務手数料が高くなることで保証料が無料となるケースもあります。

この理由として、保証会社が本来行うべき審査や手続きを金融機関が行うことになるからです。

そのため、住宅ローン申込者にとっては支払う諸費用額に大きな差が生まれないのが、一般的です。

ただし、事務手数料が金利上乗せ型になっている場合には総支払額が増加してしまうため、注意が必要です。

住宅ローンにかかる諸費用の内訳と相場

この章では住宅ローンにかかる諸費用の内訳と相場について、解説します。

家づくりでは住宅ローンの諸費用以外にも様々な支払いが必要となり、支払いタイミングも異なります。

このような流れになることから、「余計な支払いがあったかも」と考えてしまう人も多いです。

そのような不安を感じないためにも、この章で解説する内容はしっかりチェックしましょう。

事務手数料

事務手数料は、金融機関が審査や手続きを進めることに支払う諸費用で、一般的には5万円前後か借入額に定率を掛け合わせた額であることが多いです。

この事務手数料ですが、事前審査をすることで後述する保証料と合わせて金額を確認することができ、不動産決済時に融資額から差し引く形で支払います。

そのため、住宅ローン契約の融資額と実効額は異なるケースが多いことを、知っておきましょう。

保証料

保証料は保証会社に支払う手続き費用のことです。

この諸費用は前述した事務手数料と相関関係であることが多く、相場についても事務手数料と同じく5万円前後の固定か、借入額×定率となります。

なお、連帯保証人を立てて保証会社を通さないように交渉できた場合は、この諸費用はゼロとなり、さらには一括支払いした場合には完済後に一部返還されることもあります。

そのため、保証料の支払いについてはあらかじめ金融機関に相談し、住宅ローン完済時にどちらが得なのかを検討しましょう。

融資手数料

融資手数料は不動産会社が金融機関を紹介したり事前審査の手続きを代行する費用のことで、「融資代行料」とも呼ばれます。

一般的に5万円+消費税で固定されることが多く、不動産決済時に支払うことが多いです。

この諸費用ですが、自分で金融機関を選定し手続きした場合には、不要となります。

このように、融資手数料は除外できる数少ない諸費用の1つといえるでしょう。

火災保険料

火災保険は家を購入する際には必ず加入すべき保険ですが、購入する家の性能や選択する災保険の商品によって、保険料が大きく変わります。

また、支払いタイミングも1年、3年、5年、10年の中から選択するのが一般的です。

このことからも、火災保険と後述する地震保険は、支払い計画と照らし合わせながら決める必要があるでしょう。

なお、火災保険と後述する地震保険は、不動産の所有権が移転した翌月に引き落としとなることが多いです。

地震保険料

地震保険は地震によって起きた損壊もしくは火災に対する保証となります。

つまり、洪水や飛来物の衝突などの補償を受けることは、通常はできないことになります。

しかし、地震保険にはこういった地震以外の被害についても対応できるよう、多くのオプションが用意されています。

そのため、地震保険料は地震保険+オプションの組み合わせが重要といえます。

団体信用生命保険料

団体信用生命保険とは、住宅ローン債務者が死亡もしくは重大な障害状態になった場合に、住宅ローン残債の債務が免責されるという保険です。

また、団体信用生命保険の適用条件は金利を上乗せすることで追加することができ、「ガン団信」や「三大疾病団信」など、多くの商品があります。

こういった仕組みをうまく利用することで、家を購入した後に安心して暮らすことができるでしょう。

なお、この保険加入に必要な保険料は金利に含まれているため、一括で支払うことはできません。

このことから、団体信用生命保険を使って健康上の不安を払拭する場合は、総支払額がいくらになるのかをチェックする必要があるでしょう。

その他の費用

前述した諸費用以外にも、「印紙税」や「登録免許税」、「不動産取得税」、「仲介手数料」といった諸費用があり、次のような特徴があります。

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費用の種類 内容 費用 支払い時期
印紙税[1] 契約書類に貼付する
印紙代金
契約額による 契約締結時
仲介手数料[2] 不動産会社の成功報酬 契約額による 不動産決済時
登録免許税[3] 不動産の所有権を
登記する税金
土地:評価額×0.15%
建物:評価額×0.4%
不動産決済時
不動産取得税[4] 不動産取得に関する税金 評価額×3% 確定申告後

印紙税は売買契約書や金融機関との住宅ローン契約時に印紙を貼付し、消印することで納税とみなされます。

そのため、注文住宅などの契約書類が多い家づくり計画では、印紙代の負担も多くなるため、注意しましょう。

また、仲介手数料は不動産会社に支払う報酬となりますが、売主物件や販売代理物件を購入した場合には、不要です。

これ以外にも、所有権と登記する登録免許税や、不動産を取得した際にかかる不動産取得税といった税金がかかるため、家づくりをスタートする前に概算を把握することが重要といえるでしょう。

[1]国税庁|不動産売買契約書の印紙税の軽減措置
[2]宅地建物取引業法で定める仲介手数料
[3]総務省|地方税制度|不動産取得税
[4]国税庁|No.7191 登録免許税の税額表

計算シミュレーション|住宅ローンのトータルコストを比較

この章では、代表的な金融機関のシミュレーションを使い、実際に住宅ローンを借りる際のトータルコストを比較します。

借入条件は次の通りです。

  • 借入額:3,000万円
  • 借入期間:35年
  • 金利プラン:全期間固定
  • 金利:1.0%
  • 返済方式:元利均等

みずほ銀行で住宅ローンをシミュレーションした場合

みずほ銀行で住宅ローンをシミュレーションしたところ、トータルコスト35,567,700円という結果になりました。

みずほ銀行の場合は事務手数料は33,000円となりますが、保証料については一部前払いするか金利に上乗せするのかを選択できます。

ただし、どちらを選択してもトータルコストは変わらないという結果になったため、みずほ銀行を利用する際には資金計画上で有利になる方式を選択しましょう。

ソニー銀行で住宅ローンをシミュレーションした場合

ソニー銀行で住宅ローンをシミュレーションしたところ、事務手数料を金利に上乗せする「固定セレクトローン」と上乗せしない「住宅ローン」では次のような違いが分かりました。

事務手数料支払い方法 トータルコスト
固定セレクトローン 36,234,379円
住宅ローン 35,618,379円

このように、金利上乗せしない方が約60万円安くなることが分かりました。

なお、ソニー銀行は総資金計画に対し、自己資金が10%を超えるかどうかで金利優遇の条件が変わります。

このことから、自己資金を総額の10%を超えて用意できるのでれば、ソニー銀行はおすすめといえるでしょう。

楽天銀行で住宅ローンをシミュレーションした場合

楽天銀行では「固定金利+変動金利」という選択をすることができ、同時に住宅金融支援機構の「フラット35」も取り扱っています。

そこで、それぞれの金利タイプで住宅ローンをシミュレーションしたところ、次のようになりました。

金利タイプ トータルコスト
固定金利 (90%) 1%
変動金利 (10%) 1.62%
36,552,224円
フラット35 1.83% 41,128,064円

このように、固定金利と変動金利の割合が9:1で、変動金利が1.62%の場合、1.83%のフラット35よりも約450万円トータルコストが安くなることが分かりました。

なお、楽天銀行は保証料が0円ですが、他行よりも事務手数料が高くなる傾向にあります。

そのため、トータルコストとして他行と大きな差はない結果となっています。

イオン銀行で住宅ローンをシミュレーションした場合

イオン銀行では事務手数料について定率型と定額型を選択することができ、次のようにトータルコストの差がありました。

事務手数料支払い方法 トータルコスト
定率型 35,567,804円
定額型 36,754,301円

このように、定率型の方が約120万円安くなることが分かりました。

以上のシミュレーションを全て比較すると、次のような結果になります。

金融機関と借入プラン トータルコスト
みずほ銀行 35,567,700円
イオン銀行(定率型) 35,567,804円
ソニー銀行(住宅ローン) 35,618,379円
ソニー銀行(固定セレクトローン) 36,234,379円
楽天銀行(固定金利+変動金利) 36,552,224円
イオン銀行(定額型) 36,754,301円
楽天銀行(フラット35) 41,128,064円

この結果を参考に、住宅ローンの借入先を選びましょう。

住宅ローンを組む前に知っておきたい注意点

住宅ローンを組む前には、いくつか知っておくべき注意点があります。

知らずに借入先を決めてしまい後悔しないためにも、この章で解説する注意点は押さえておきましょう。

安い住宅ローンは変動型が多い傾向

金利を低くしたいのであれば、変動型がおすすめです。

なぜなら、固定型は金利変動のリスクを金融機関が負うことになり、その分のリスク補填を金利に上乗せするからです。

固定型は返済期間中に金利が変動した場合であっても返済額は変わりませんが、変動型は金利の変動に応じて返済額が変わります。

そのため、変動型であれば金利変動に合わせて債務者が返済を負担することになりますが、固定型の場合は金融機関が負担しなければなりません。

このようなリスクを避けるために、固定型は変動型よりも金利を高く設定されます。

たとえば、みずほ銀行の場合だと変動金利は0.425%ですが、20年の固定金利だと1.75%です。

つまり、変動型の方が金利は安くなりますが、金利変動のリスクがあるという点が注意点だといえます。

ネット銀行は金利が低いが審査が厳しい

ネット銀行は民間の金融機関でも金利や保証料が安い傾向にありますが、審査は他行より厳しい傾向にあります。

そのため、ネット銀行を検討する際には他行の審査も受け、どの金融機関からも承認を得られていない状態は避けましょう。

地方銀行などで組んだ方が安い場合もある

財閥系と呼ばれるメガバンクよりも、地方銀行や信用金庫系の方が金利は安いことが多いです。

なぜなら、これらの金融機関は事業展開エリアが担当地域に限定されており、全国展開しているメガバンクよりも審査工数が少なくなるからです。

そのため、家を購入するエリアが決まったタイミングで、そのエリアにある地方銀行や信用金庫に住宅ローンの相談をするのが、おすすめです。

住宅ローン会社の選び方

ここまで、住宅ローンのトータルコスト比較と注意点について解説してきましたが、住宅ローン会社は結局どのようにして選ぶべきでしょうか。

住宅ローン会社は以下の3ステップで検討していくのがオススメです。

  1. 自分に合う金利の種類を選ぶ
  2. 複数社で計算シミュレーションして比較
  3. 諸費用も比較する

この章では住宅ローンを選ぶポイントについて、解説します。

手順①:自分に合う金利の種類を選ぶ

金融機関を決めたとしても、変動型や固定型、返済方式などによってトータルコストは大きく変わります。

たとえば、金利変動のリスクを将来にわたって避けたい人であれば、固定型が向いています。

一方、金利変動リスクよりもトータルコストと月々の返済額を下げたい人であれば変動型が向いているでしょう。

さらに、どちらも選べない場合は、一定期間固定型で後から変動型に変わる「固定期間選択型」というプランもあります。

このように、自分のライフスタイルに合った金利を選ぶのがポイントです。

手順②:複数社で計算シミュレーションして比較

代表的な金融機関のシミュレーションについて解説しましたが、その他の金融機関でも借入シミュレーションを公開しています。

そのため、住宅ローンの借入先を検討し始めたタイミングであれば、まず複数の金融機関で借入シミュレーションをしてみましょう。

そうすることで、各金融機関の特徴と諸費用を事前に把握することができます。

ただし、シミュレーションは一般的にネットで実施できますが、メガバンクなどは窓口でしか対応できないこともあるため、注意しましょう。

手順③:諸費用も比較する

金融機関を選ぶ際には、金利だけでなく各諸費用がどのくらいかかるのかも知っておきましょう。

得に、事務手数料と保証料は借入方式によって大きく変わるため、注意が必要です。

なお、前述した借入シミュレーションを利用することで、各諸費用についても比較することができるため、積極的に使用しましょう。

シミュレーションした結果、検討している金融機関で大きな差がない場合には、支店の多さや引き落とし手数料など、使いやすさで選ぶのもおすすめです。

住宅ローンに関するよくある質問

この章では、以下のような住宅ローンに関するよくある質問について、解説します。

  • 住宅ローンの事務手数料は値引きできる?
  • 住宅ローンの事務手数料は現金払いのみ?
  • 実効金利(じっこうきんり)とは?
  • 保証事務手数料とは?

住宅ローンの事務手数料は値引きできる?

住宅ローンは原則値引きできませんが、ケースバイケースで値引きを受けてくれることもあります。

たとえば借入額が高額で競合が複数いる場合などであれば、事務手数料を引いてでも契約したいと金融機関は考えるでしょう。

このように、金融機関側にもメリットがある場合には、事務手数料を値引きできる可能性はあります。

ただし、事務手数料は金融機関にとって重要な収入源となるため、よほどの条件が揃わなければ難しいでしょう。

住宅ローンの事務手数料は現金払いのみ?

住宅ローンの事務手数料は融資額から差し引きされる場合が多いため、基本的には現金で用意する必要はありません。

ただ、融資額は事務手数料や保証料といった諸費用は差し引かれて実効されるため、その点には注意が必要です。

実効金利(じっこうきんり)とは?

実効金利とは「実質金利」とも呼ばれており、銀行が実際の返済に対して設定する金利です。

一方、インターネットや窓口で確認できる金利は「表面金利」といわれており、実効金利よりも高くなります。

これは、実効金利は借入する人によって異なり、誰もが同じ金利で融資を受けられるわけではないからです。

つまり、金融機関の金利比較は表面金利ではなく、実効金利をベースにする必要があるでしょう。

保証事務手数料とは?

保証事務手数料とは、「保証料」のことです。

保証会社の手続きにかかる事務手数料と金融機関の事務手数料を分けるために、このような呼び名となっています。

一般的には「保証料」と呼ばれることが多いため、保証事務手数料というワードを目にすることは少ないでしょう。

まとめ

住宅ローンの諸費用は金融機関によって支払い内容が大きく異なり、同じ金融機関であっても返済プランによって金額差があります。

このことから、自分のライフスタイルに合った返済方法を選ぶ必要があり、そのためには複数の金融機関で借入シミュレーションを実施し、比較検討しましょう。

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