3000万円の家の10年後の価値は?評価方法や資産価値を決めるポイントも解説
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家を購入検討する場合には、将来どのくらい資産価値が残るのかも検討する必要があります。
なぜなら、家の価値が長く残存するのであれば、将来売却することも見越した資金計画を立てることができ、さらには相続対策としても有効となるからです。
そのため、家の価値がどのように推移するのかは、知っておくべきでしょう。
そこで、この記事では3000万円の家を購入した際の、資産価値推移と価値を決めるポイントについて、解説します。
目次
家の価値を評価する方法
家の価値を評価する代表的な方法としては以下の3つがあります。
- 取引事例比較法
- 原価法
- 収益還元法
それぞれの方法は家の資産価値算出において全く異なるアプローチを踏むことになるため、算出される資産価値も異なります。
そのため、不動産会社が家の査定をする際には、この章で解説する3つの方法を全て使用し、平均額を査定額として算出するのが一般的です。
つまり、これらの方法を知ることで、不動産のプロと同じレベルで資産価値を調べることができるようになるでしょう。
取引事例比較法
取引事例比較法は最も使われる算出法となっており、不動産会社に入社したての社員教育でも用いられるほど、手軽に使用できる方法です。
この方法は、実際の成約事例をベースに算出する方式となっています。
この場合、成約事例はレインズマーケットインフォメーションを参照することが多く、不動産会社以外の人でも閲覧可能なサイトです。
場合によっては、国税庁が公開している路線価図のデータを使うこともあり、参考データを増えせば増やすほど精度が高くなる、という特徴があります。
原価法
原価法とは、現時点でどのくらいの価値が減衰したのかを基に、資産価値を算出する方法です。
この方法には計算式があり、家の購入価格×残存年数÷耐用年数という計算式で算出することができます。
ここでいう残存年数とは、国税庁が定めた耐用年数までの残り期間となっており、構造によって異なります。
たとえば木造の場合だと22年、重量鉄骨だと34年が耐用年数となり、仮に3000万円の家を築20年で売却した場合には、原価法での算出結果は次のようになります。
- 木造:3000万円×2年÷22年=約273万円
- 重量鉄骨:3000万円×14年÷34年=約1236万円
このように、原価法は構造と耐用年数に重点をおいた算出方法となるため、購入金額と構造が判明している必要があるでしょう。
収益還元法
収益還元法とは、家を賃貸にだし得られる利益から家の資産価値を算出する方法ですが、不動産投資目的で家を購入する際によく使われる方法となっており、居住目的ではあまり使われません。
なお、この方法は1年間の収益÷利回りという計算式によって算出することになり、周辺の利回りを調べる必要があります。
利回りとは、投資した費用と年間収益の割合を示す指標のことで、不動産投資を実施する上で重要な判断材料となるでしょう。
たとえば周辺の借家賃料が月額22万円で維持費が2万円かかると想定した場合、年間の収益は240万円です。
そして、利回りが8%のエリアだった場合は、240万円÷8%=3000万円という計算結果となります。
このように、収益還元法は取引事例比較法や原価法とは違い、収益をベースにしています。
3000万円の家の価値をシミュレーション
画像提供元/国土交通省
上図は国土交通省が公開している、減価償却による家の資産価値推移を表した図となります。
これによると、木造戸建住宅は約22年で資産価値がゼロとなってしまいます。
しかし、実際には築22年の家であっても十分に住むことができる場合が多く、取引事例比較法や原価法で算出した場合でも価値は残存します。
このことから、減価償却による家の価値と実際の資産価値は考え方が異なるといえるでしょう。
そこで、この章では3000万円の木造住宅について、築年数が10年~30年の時点で残存する資産価値を、原価法によってシミュレーションします。
以下の3パターンでシミュレーションを行ったので、参考にしてください。
- 3000万円の家の10年後の価値は?
- 3000万円の家の20年後の価値は?
- 3000万円の家の30年後の価値は?
なお、3000万円の内訳を、建物2000万円土地1000万円とし、土地の資産価値は変わらないものとします。
3000万円の家の10年後の価値は?
3000万円の家が築10年を経過した場合、資産価値は次のようになります。
2000万円×12年÷22年=約1090万円+土地1000万円=約2090万円
上記計算からも、10年の月日で約990万円の価値が減少したものの、まだ2/3以上の資産価値が残っているといえます。
3000万円の家の20年後の価値は?
3000万円の家が築20年を経過した場合、資産価値は次のようになります。
2000万円×2年÷22年=約182万円+土地1000万円=約1182万円
国税庁の減価償却表では22年で資産価値がゼロとなりますが、築20年を経過すると建物の価値は10%以下となり、原価法においても資産価値はほぼ土地と同等になります。
しかし、実際には築20年の家でも快適に生活できることが多いため、原価法で算出した価値以上の価格で販売されている中古戸建も多いです。
そのため、築20年前後の家を売却する際には、査定額を補正するのが一般的です。
3000万円の家の30年後の価値は?
3000万円の家が築30年を経過した場合は耐用年数を超えるため、原価法では建物の価値はゼロとなり、資産価値は土地のみとなります。
しかし、築20年の時点でも建物の価値は90%減衰していたため、築20から30年にかけての資産価値減少は、緩やかになっていることが分かります。
このことからも、築30年前後の家を売却する場合は、築年数よりも使用できる設備や家の状況を重要視する傾向にあります。
その他の家の価値をシミュレーション
前章では3000万円の家についてシミュレーションしましたが、それ以外の家についても同条件でシミュレーションしてみましょう。
次の2パターンのシミュレーション結果をお伝えします。
- 2000万円の家の10年後の価値は?
- 4000万円の家の10年後の価値は?
2000万円の家の10年後の価値は?
2000万円の家が築10年を経過した場合、資産価値は次のようになります。
1000万円×12年÷22年=約546万円+土地1000万円=約1546万円
3000万円の築10年シミュレーションが約2090万円だったため、同じ築年数でも2000万円の方がより多く資産価値が残ることが分かります。
これは、建物と土地の割合が1:1になったためであり、減価償却の影響を受けない土地の割合が多い方が、資産価値は担保しやすいといえるでしょう。
4000万円の家の10年後の価値は?
4000万円の家が築10年を経過した場合、資産価値は次のようになります。
3000万円×12年÷22年=約1637万円+土地1000万円=約2637万円
上記の結果から、築10年の2000万円から4000万円の家をシミュレーションした場合を比較すると、次のことが分かりました。
- 2000万円の家:約1546万円
- 3000万円の家:約2090万円(2000万円との差+544万円)
- 4000万円の家:約2637万円(3000万円との差+547万円)
このように、高い家を購入した場合にはより多く資産価値を残せるものの、資産価値の減衰幅はほぼ同じということが分かります。
つまり、家の資産価値を多く残すためには、築年数と土地の資産価値割合が重要、といえます。
家の資産価値の調べ方
家の資産価値はどのようにして調べることができるのでしょうか。
一般の売主でも調べる方法に限って言えば、以下の3つが主流でしょう。
- レインズマーケットインフォメーションで調べる
- 土地総合情報システムで調べる
- 不動産会社に査定してもらう
それぞれ解説します。
レインズマーケットインフォメーションで調べる
画像提供元/レインズマーケットインフォメーション
取引事例比較法でも使用するレインズマーケットインフォメーションは、中古マンションや中古戸建ての成約事例を調べることができる、国土交通省の運営サイトです。
このサイトは成約時期と成約価格、エリアなどで絞り込むことができるため、簡単に類似物件を検索することができる、という特徴があります。
ただし、検索できるのは中古マンションと中古戸建てのみとなっており、土地は対象外となるため注意しましょう。
土地総合情報システムで調べる
画像提供元/土地総合情報システム
前述したレインズマーケットインフォメーションでは土地の資産価値を調べることができないため、土地の資産価値は土地総合情報システムで調べましょう。
このサイトも国土交通省が管理しており、路線価以外にも固定資産税や相続税などの税額計算に使用する公示価格についても調べることが可能です。
このサイトにあるデータは、不動産会社が査定時にも使用するため、土地の資産価値を様々な観点から把握したい人には、おすすめです。
不動産会社に査定してもらう
レインズマーケットインフォメーションや土地総合情報システムに掲載されているデータは確かな内容ですが、データの選別や個別要因の取捨選択など、専門的な知識が必要になるケースも多いです。
そこで、同じデータを使って不動産会社に査定してもらうのが、おすすめです。
また、その際にはおすすめの不動産一括査定サイトを利用しましょう。
このサービスは1度の情報入力で任意に選択した不動産会社に査定を依頼することができ、費用もかかりません。
また、査定書の提出方法を郵送やメールなど選択することもでき、週末にまとめてメールを確認するなど、ライフスタイルに合わせた査定も可能です。
不動産一括査定サイトにはこのようなメリットがあるため、資産価値を効率良く調べたいオーナー向きといえます。
家の資産価値を決める要因
家の資産価値は築年数でおおむね決まりますが、築年数以外の外的要因も大きな影響を与えます。
たとえば以下のような要因です。
- 土地の価値や中古住宅市場の動向
- 築年数
- 住宅ローンの金利や税制
そのため、正しい家の資産価値を把握するためには、この章で解説するポイントを押さえましょう。
土地の価値や中古住宅市場の動向
区画整理や駅前の再開発計画、世界的イベントの誘致などによって、土地の価値が大きく上昇することもあります。
そのため、このような事業計画内にある家は土地の資産価値割合が増え、結果的に築年数からは算出できない価値を得ることができるでしょう。
また、国土交通省の発表によると中古住宅市場は拡大しており、政府としてもより長く住むことができる中古住宅の売買を斡旋しています。
このように、家の周辺環境やトレンドによって家の価値が決まることもあります。
築年数
家は築年数が経過することで価値は減少し、それを止める方法はありません。
また、古すぎる築年数の家は金融機関の融資を受けることができなくなり、売却しにくくなります。
つまり、売れないことで需要が低下し、相対的に家の資産価値が下がってしまうことになるため、家を売却する際には築年数を注視すべきでしょう。
住宅ローンの金利や税制
2023年時点では日銀が金融緩和政策を継続することを表明しており、それに伴ってゼロ金利政策による住宅ローンの低金利も継続されています。
また、不動産取得税や住宅ローン控除といった税制優遇においても延長されたことから、住宅購入の需要は高まっているといえます。
これにより中古戸建ての取引が活性化し、売れやすい環境によって家の資産価値が高くなることもあります。
家を高く売るためのポイント
オーナーであれば、なるべく高く家を売りたいと考えるのが普通です。
そこで、家を売却することを決めた場合には、この章で解説するポイントを実行しましょう。
次の2つのポイントについて解説いたします。
- 複数の不動産会社に査定を依頼する
- できるだけ早く売りに出す
複数の不動産会社に査定を依頼する
家を高く売るためには、適切な売却価格の幅を把握し、その中で最高値に設定する必要があります。
そのためには判断材料である査定額が正しいことが重要なポイントとなるため、複数の不動産会社から査定額の提示を受けることがおすすめです。
また、その際には前述した不動産一括査定がおすすめですので、自分にぴったりな一括査定サイトを探す際の参考にしてください。
できるだけ早く売りに出す
家は築年数が経過することで資産価値が減少するため、売却を決めたのであれば1日でも早く売りに出すのが重要です。
そのためにも、なるべく早い段階で不動産会社に相談しましょう。
3000万円の家の10年後の価値まとめ
3000万円の家は10年後、約2090万円の資産価値が残ると思われます。
しかし、家や設備の状態によってはこの金額よりも高く売ることも可能となるため、早い段階で不動産会社に査定を依頼することが重要といえるでしょう。
また、資産価値は周辺環境や政府の方針といった外的要因の影響も受けるため、エリアや市場動向に詳しい不動産会社に依頼するのがポイントです。
そのため、家の売却を進める際にはまず不動産一括査定サイトを利用し、効率良く不動産会社に査定を依頼しましょう。