注文住宅の間取りはどうやって決める？後悔しない間取りを作るポイントを解説

理想の住宅を建てるためには間取りにこだわるべきですが、実際に住んだ後に失敗していることに気づくケースもあります。

このような失敗を避けるためにも、間取りの作り方を知っておくべきといえます。

この記事では後悔しない間取りを作るために、基礎的な知識について解説します。

注文住宅の間取り決めのチェックポイント

間取りを決める際には考慮すべきチェックポイントがあることから、内容を確認しておく必要があります。

なぜなら、好きなデザインや仕様だけを選んだ場合、全体の統一感が損なわれる可能性があるからです。

たとえば開放的なリビングだけを優先してしまうと収納が足りなくなることがあり、さらに冷暖房の効きが悪くなります。

このような失敗を避けるためにも、この章で解説するポイントを押さえておくべきです。

必要な部屋の数

部屋数＝世帯人数ではなく、ライフスタイルに合わせて必要な部屋の数を決める必要があります。

たとえば夫婦＋子供二人の4人家族の場合、主寝室と子供部屋2つであれば3部屋になります。

しかし、夫婦共に在宅ワークの場合、主寝室と子供部屋に加えさらに2部屋必要です。

このように、家族全員が快適に暮らすことができるような部屋数にする必要があります。

水回りの位置

水回りはなるべく1箇所に集めることで建築コストを抑えることができますが、感染症対策として玄関近くに手洗い場を設置したりトイレを1階と2階に設置するなど、生活環境に応じた設計にすべきといえます。

また、キッチンとバスルームは利用時間が長くなることから、設備の仕様や使い勝手を踏まえて検討する必要があります。

このことからも、間取りを検討する際には水回りからスタートするオーナーも多いです。

生活・家事動線

たとえば朝の支度時に洗面所が混雑しないよう広めに設計したり、回遊できるファミリークロークにすることで家族がぶつからないようにできます。

こうした生活動線や家事動線はストレスなく生活する上で必須であることから、間取り設計をする上でも優先順位を高くしておくことをおすすめします。

また、老後まで考えると、行き来する回数を減らす・歩数を減らすために考えて設計する人も多く、現時点だけでなく将来のことも見据えると良いでしょう。

必要な収納の場所・量

収納が足りなければ後から追加することもできますが、棚を置くスペースの分部屋が狭くなってしまいます。

また、せっかく作った棚であってもサイズが小さく収納できないという失敗事例も多いことから、注意が必要です。

つまり、収納で失敗しないコツとしてあらかじめ収納する内容を決めておき、必要なサイズを想定しておくという点があるといえます。

家具や家電の配置

家具や家電は多くのスペースを取ってしまうことから、配置をあらかじめ決めておくことが重要です。

しかし、ライフスタイルの変化によって模様替えするケースもあることから、ある程度配置換えしやすい間取りにしておくべきです。

また、移動させたい場所にコンセントがなければ延長コンセントなどが必要になり、見栄えが悪くなります。

このことからも、配置換えが可能な間取りと多めにコンセントを配置しておくことが、ポイントといえます。

注文住宅で後悔した間取り

SUUMOで公開されている間取りで失敗したランキングによると、1位〜5位は次のようになりました。

上記のポイントを間取り作りをする上で注意すべきですが、具体的にどのように対策すべきかも知っておくべきです。

そこで、この章では注文住宅で後悔した間取りの事例を紹介します。

収納場所や収納スペースの不足

収納場所や収納スペースはどれだけあっても不足する傾向にありますが、布団やコートといった季節物や掃除機などの日常的に使う家電などは買い替えることでサイズが変わり、その結果収納できなくなることもあります。

また、スッキリした間取りを意識しすぎることで収納が足りなくなることもあり、注意が必要です。

このような失敗を避けるためにも収納は多めに設置し、各収納の大きさにも余裕を持たせることが重要です。

家の中の動線が悪い

家族同士の動線がぶつかってしまい、弧を描くような動きになってしまう間取りは、ストレスが溜まります。

そのため、動線を意識して間取り設計することは快適な生活を維持するためにも重要です。

たとえば各部屋を広くするために廊下や階段を狭くしてしまうと、朝の支度時に家族がぶつかる可能性が高くなってしまいます。

さらに、狭い通路部分は老後に車椅子生活となった場合にリフォームが必要となるケースもあるため、注意が必要です。

こうした問題を起こさないためにも、水回りを回遊できるようにしたりある程度広い通路を確保するなど、動線の工夫は必須といえます。

水回りの場所や設備が生活スタイルに合っていない

水回りは家屋内の設備でもコストがかかることから、なるべく安くすませるオーナーも多いです。

しかし、ライフスタイルを考慮せずに水回りのコストを削減した場合、思わぬ失敗をすることがあります。

たとえばトイレを1箇所にすると朝トイレの順番待ちができてしまうことがあり、家族全員の効率が悪くなってしまいます。

また、作業スペースが小さいコンパクトなキッチンは料理がしにくく、ストレスを感じるケースもあります。

このように、快適な暮らしができる設備はコスト削減せず、導入すべきといえます。

コンセント不足

住んだ後にコンセントが足りず、増設するケースは非常に多いです。

また、コンセントの配置が悪く掃除をする場合や家具の配置決めが制限されるといったトラブルもあります。

こうした問題はコンセントの配線計画が甘いことが原因とされており、SUUMOでも最も多い失敗事例となっています。

また、コンセントの位置が低すぎたり高すぎたりすることで、抜き差しにストレスを感じることもあります。

つまり、間取り設計時に配線計画を重点的に検討することが、後悔しない間取り作りのポイントといえます。

部屋の数が足りない・狭い

部屋数と大きさを決める際には、現在の家族だけでなく将来を見据えて検討することが重要です。

なぜなら、子どもが成長したりペットを飼うことで部屋が狭くなることは十分にあり得るため、ライフステージの変化に対応した間取りにすべきだからです。

また、大きめの子供部屋を用意した場合、子どもが独立した場合は大きな空き部屋になってしまいます。

そのため、部屋数と広さは十分に検討した上で設計することが、失敗しないコツです。

注文住宅の間取り決めで成功するためのコツ

生活動線や家事動線が悪かったり収納・部屋数が足りない間取りでは、快適に暮らすことが難しいです。

そこで、注文住宅の間取りで失敗しないためには、この章で解説するコツを抑えた上で設計することをおすすめします。

納得できる間取りができるまで何度でも相談する

ハウスメーカーや工務店には多くの建築事例があることから、効率の良い家事動線の実現方法や最適な収納数などのアドバイスを受けることができます。

このことからも、問題を解消し納得できる間取りを設計するためにも、不明点を相談することが重要です。

間取りの優先順位を決めておく

全ての要望をクリアしようとすると間取りに矛盾が生じてしまうか予算オーバーになる可能性が高くなります。

このような事態になってしまうと思い描いた注文住宅にならないため避けるべきですが、こだわりのない家づくりもおすすめできません。

そこで、間取りのなかで何を優先すべきかを決めておき、その上で順位付けすることがポイントです。

このようにすることで、理想の住宅を目指しつつ現実的な間取りを設計することができます。

SNSやハウスメーカーのサイトなどで情報収集をする

理想の間取り、とはいっても具体的なイメージを持っているオーナーは少ないことから、SNSやハウスメーカーのサイトに掲載されている建築事例を参考にするのがおすすめです。

また、これ以外にも間取りを一括請求できる便利なサイトがあり、家づくりを進める上で利用すべきといえます。

なお、一括請求できる代表的なサイトとして「タウンライフ」と「ライフルホームズ」があり、次のような特徴があります。

間取りの一括請求は【タウンライフ家づくり】がおすすめ

タウンライフはGMOリサーチ株式会社が提供するアンケートで、「利用満足度」と「知人に薦めたいサイト」「使いやすさ」で1位を獲得している一括請求サイトです。

このサイトが持つ特徴として、立てたい家屋の種類や希望の間取りを入力するだけでおすすめの間取りプランを提案してくれるという点にあり、費用もかかりません。

タウンライフの評判にも「無料で期待してなかったけど利用して良かった」「知識が深まった」などの声があります。

また、提携しているハウスメーカーは1000社を超えることから、家づくりを始めたばかりのオーナーは利用することをおすすめします。

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住宅カタログの一括請求は【ライフルホームズ】がおすすめ

ライフルホームズからはカタログ請求を受けたランキングを公開しており、多くのオーナーが注目しているハウスメーカーや工務店の間取りから検討することができます。

ライフルホームズの評判でも、「カタログ請求する会社を自分で選べる」「電話対応が最低限で済んだ」などの声もあり、自分のペースで家づくりを進めたい人にもおすすめです。

なお、執筆時点でのカタログ請求ランキングは次のようになっていました。

どのハウスメーカーにするかで悩んでいるなら、まずは人気の高いハウスメーカーの資料をお取り寄せしてみてはいかがでしょうか。

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間取りシミュレーションができるサイトやアプリを利用する

間取り作成はハウスメーカーや工務店が取り扱っている専用のツールだけでなく、一般公開されている無料のツールやアプリでも可能です。

このように、間取りを自分で描きながらイメージを具体化し、その上で作成した間取りをハウスメーカーや工務店に打診するという方法もあります。

そのため、ある程度理想の間取りがイメージできているのであれば、自分で間取りを作成することをおすすめします。

注文住宅の間取りシミュレーションができるサイト・アプリ5選

前述したように、理想の間取りがイメージできている場合は実際に設計し、実現可能かを検証することができます。

そして、その際には無料でつかえる間取りシミュレーションサイトやアプリがおすすめです。

この章では、おすすめの間取りシミュレーションサイト・アプリを紹介します。

マイホームクラウド

マイホームクラウドは無料登録することで50個のプランを自由に作成することができ、さらに他の人が作成した間取りを閲覧することも可能です。

また、作成した平面図を立体にすることもでき、レンダリングも簡単に実施できます。

このような操作性が多くの人に支持されていることから、おすすめの間取りシミュレーションソフトといえます。

住宅間取り設計

住宅間取り設計ではウェブ上でCADを利用することができる上に家具が自動作成されることから、気軽に利用することができます。

また、スマートフォンでも操作できることから、外出先でも設計の続きを進めることが可能です。

さらに、1500プランから間取りを選べるため、理想の間取りをイメージする際に便利といえます。

おうちでハイム

セキスイハイムが運営しているおうちでハイムは、質問に答えるだけで間取りを作成できるサイトです。

つまり、間取りの知識がなくとも希望の条件を入力するだけで、理想の間取りが作れることになります。

そのため、自分で作成するのではなくある程度お任せで間取りを設計したい人に向いているといえます。

ルームプランナー

ルームプランナーはAppleStoreとGooglePlayで公開されているアプリとなっており、スマートフォンで簡単に間取り作成することができます。

そのため、仕事や家事の隙間時間を有効活用して間取り作成できることから、忙しい会社員や主婦におすすめのアプリです。

Planner 5D

Planner 5Dはダウンロード数が1,000万人を超えている人気の海外アプリです。

言語が英語なので少し利用のハードルが上がりますが、比較的直感的に操作できる上にテーマに沿った間取りを作成し、ユーザー同士でバトルすることができます。

このように、遊びながら間取りを作成したい人に向いているアプリといえ、間取りの基本的な知識を習得するという意味でもおすすめです。

注文住宅の間取りについてよくある質問

この章では、注文住宅の間取りについてよくある質問に回答します。

注文住宅の間取りを決める順番は？

間取りを決める際には、家族の滞在時間が長くなる場所から決めていくのが一般的です。

このことからも、間取りを設計する際にはリビング、水回り、居室、玄関という順番を意識することが重要です。

注文住宅の打ち合わせは何回おこないますか？

間取りのこだわりポイントによって異なりますが、打合せ回数は5回〜10回になることが多いです。

ただし、途中で要望が変わるとこれ以上の打合せが必要となりますが、発注納期が決められている場合が多いためどこかで妥協することになります。

そのため、なるべく要望を固めた上で打合せすることをおすすめします。

良い間取りとは？

良い間取りは家族全員が長く快適に住むことができる間取りといえます。

このことからも、生活動線と家事動線を意識し、ライフステージが変化した場合にも対応できる柔軟性も踏まえておくのがポイントです。

注文住宅の間取りまとめ

注文住宅の間取りで失敗しないためには、コンセントや部屋、収納の数や大きさにこだわり、生活動線と家事動線を意識することが重要です。

そのため、ハウスメーカーや工務店が公開している建築事例をなるべく多く参考にする必要があり、カタログの一括請求サイトなどの利用もおすすめです。

このように、理想の間取りを実現するためには、より具体的なイメージを持つことが重要といえます。