中古マンションを購入する際の注意点は?購入の流れや賃貸と比較したメリット・デメリットも解説
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中古マンションは不動産の中では購入しやすく、リスクも低いといわれていますが、注意点が全くないわけではありません。
他の不動産を購入する時と同様に、不動産の流れや賃貸との比較などは事前に知っておくべきです。
そこで、この記事では中古マンションを購入する際の注意点について、解説します。
目次
中古マンションを購入する流れ
中古マンションを購入するためには、まずは全体の流れを把握しましょう。
そうすることで、中古マンションの進捗が順調に進んでいるかどうかを確認しながら、マンション検討を進めることができます。
資金計画を立てる
中古マンションを安全に購入するためには、資金計画が重要です。
資金計画は月額の返済額だけでなく、管理修繕費や駐車場代、固定資産税などのランニングコストも踏まえて立てましょう。
また、1人で資金計画を立てるのが不安な人は、ファイナンシャルプランナーにライフプランの作成を依頼するのが、おすすめです。
「お金のプロ」からアドバイスを受けつつ資金計画を立てることで、より納得のいく内容になるでしょう。
フラット35を提供している住宅金融支援機構によると、購入資金と年収の割合を示す「年収倍率」は、中古マンションでは最も高い首都圏で約6.1倍となったそうです。
画像提供元/住宅金融支援機構
このことから、住宅ローンの借入額は年収の6倍に留めるのがおすすめです。
物件を選ぶ
資金計画を立てることができれば、次は物件を探しましょう。
物件を探すコツは、要望の優先順位を付け、「必ず取り入れたい要望」と「できれば取り入れたい要望」を分けることです。
そうすることで適切な物件を選定することができ、判断を迷うことが少なくなるでしょう。
物件を内覧する
紙面上で物件を選ぶことができれば、次は物件を実際に内覧しましょう。
内覧する際には細かいキズや凹みを見るのではなく、日当たりや部屋の雰囲気、臭い、駐車場の停めやすさなどをチェックすることが重要です。
なぜなら、一般的に中古マンションの資金計画には、必ず「リフォーム費用」を含めるからで、水回りや壁紙などは新品になるからです。
そのため、内覧でしか確認できない部分を確認することが重要となり、売主が立ち会っているのであればマンション住民の情報などをヒアリングしてみましょう。
物件の購入を申し込む
内覧の結果、気になる点がなければ“購入しても問題ない中古マンション”だといえます。
不動産購入のステップは、「資金計画」「要望の整理」「物件捜索」「物件内覧」という順番で進みます。
つまり、物件内覧して問題ないということは、資金面でも要望面でも問題ない物件、ということになります。
そのため、内覧終了後に気になる点がないのであれば、その物件は購入しても大きな失敗をしない物件、といえるでしょう。
画像提供元/e物件情報
物件を購入する際には、上記のような購入申込書を売主に提出する必要があります。
なお、もし物件の価格交渉をしたい場合には、このタイミングで実施しましょう。
希望価格を申込書に記入し、売主に提出することで価格交渉したと見なされます。
この場合、もし売主がOKであればこのまま契約に進み、NGもしくは折衷案がある場合は買主に戻されます。
価格交渉をする際の注意点は、原則一回しかできないという点です。
そのため、満額でも購入するかどうかを決めておき、その上で「チャレンジ」という意味合いで価格交渉をするのが、失敗しない申込書の提出方法だといわれています。
住宅ローンの事前審査を受ける
住宅ローン審査は「事前審査」と「本審査」の二段階審査となっており、事前審査と購入申込書はセットで売主に提出します。
そのため、物件の内覧が決まったタイミングあたりで銀行に事前資産を依頼し、スムーズに商談を進められるよう、準備しましょう。
売買契約を結び引き渡しを行う
売主が購入申込書を受諾し、事前審査が通ればいよいよ不動産売買契約と、引渡しです。
売買契約は宅建士から物件に関する重要事項説明書の説明を受け、契約書を読み合わせた後に署名押印をすることで、締結となります。
そのため、契約前に疑問点や不安点を払拭するタイミングは契約日当日しかありませんので、分からないことがないようしっかり質問しましょう。
また、契約日には印紙代と手付金を持参するのが一般的です。
印紙代は売買価格、手付金はエリアの慣習によって変わるため、あらかじめ不動産会社に確認しましょう。
契約締結後には、買主は資金準備として本審査と銀行との契約を進め、売主は引っ越しなど明け渡すための準備を行います。
そして、買主と売主双方が引渡しの準備ができたタイミングで、不動産決済と引渡しを行います。
中古マンションを購入する際の注意点|失敗しないためのチェックリスト
この章では、中古マンションを購入する際の注意点について、解説します。
不動産の中でも価格が安い中古マンションですが、購入し安全に住み続けるためにはチェックすべきポイントがあります。
購入し住んだ後に後悔しないためにも、次に挙げる注意点を事前に確認しましょう。
- 諸経費や初期費用を確認する
- 市場価格や相場を調べる
- マンションの管理状態を確認する
- 災害リスクを確認する
- 重要事項説明書を十分に確認する
- 売却を想定する
諸経費や初期費用を確認する
中古マンションを購入するためには、諸経費や初期費用を確認することが重要です。
そのため、次にあげる諸費用の額を事前に確認し、総額を把握した上で中古マンションを購入しましょう。
この際には以下にあげる費用を準備する必要があるため、全て住宅ローンで賄うのか自己資金を使うのかを、決めておく必要があります。
準備資金 | 資金の内訳 | 支払時期 |
---|---|---|
印紙代 | 売買契約書に貼付する印紙代金で、売買代金によって異なる | 売買契約 |
手付金 | 売却価格の一部として支払う | 売買契約 |
印紙代 | 銀行との契約書に貼付する印紙代で、22,000円が一般的 | 銀行契約 |
事務手数料 | 銀行に支払う手数料 | 決済 |
保証料 | 保証会社に支払う保証料 | 決済 |
残代金 | 売却価格から手付金額を差し引いた額 | 決済 |
清算金 | 固定資産税、都市計画税、管理修繕費、駐車代を日割り清算 | 決済 |
登記費用 | 保存登記費用、司法書士報酬 | 決済 |
仲介手数料 | 売買代金によって異なる | 決済 |
市場価格や相場を調べる
SUUMOやアットホームといった不動産情報サイトを閲覧し、検討している中古マンションの周辺相場を調べることで、価格を精査できます。
そして、精査することで相場よりも高いことが判明した場合、価格交渉できる余地はあるといえるでしょう。
また、相場よりも安い場合は掘り出し物件の可能性があるため、すぐに売れてしまう事もあり得ます。
このように、事前に相場を調べることでマンション購入の判断スピードを上げることができ、後悔のないマンション購入に繋がるでしょう。
マンションの管理状態を確認する
マンションは通常、管理組合が設備や共用部の管理を行っていますが、思いもよらぬトラブルが起きることもあるため、注意が必要です。
たとえば、火災報知器がついていると説明を受けていたにもかかわらず、設置されていないというケースもあったようです。
このようなトラブルは非常に稀ですが、建物の劣化が激しく管理修繕が追いつかないというケースは、築年数が古いマンションであれば頻発する事例といえるでしょう。
災害リスクを確認する
2019年10月に発生した台風19号の影響により、川崎市にある「パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー」が浸水し、電気や水道が数日間使えないという災害が起きました。
643世帯、約1800人に影響がでたというこの災害ですが、マンションの地下に設置された貯留槽がオーバーフローしたのが原因だとされてます。
このような突発的な災害を完全に防ぐことは難しいですが、国土地理院が公開している「重ねるハザードマップ」などを利用し、あらかじめハザードマップの内容を把握することはできます。
これ以外にも、中古マンションの避難経路などをチェックするなど、災害に関する情報や避難経路はなるべく多く習得しておきましょう。
重要事項説明書を十分に確認する
重要事項説明書とは、不動産売買に関する重要な内容が記載されてる書面で、売買契約を締結する前に宅建士から説明を受けることになります。
「重説」と呼ばれるこの書類には、文字通り不動産取引に関わる重要な内容が記載されているものの、聞きなれない単語が多く理解が難しい部分もあります。
しかし、中古マンションで生活するための重要な決まり事が多く記載されているため、不明点を残したままにしないよう、しっかり質問しましょう。
実際にあったトラブルとして、マンションを購入後に日あたりが制限される形で隣地に建物が建築され、損害賠償を売主業者と売主に請求した事例があります。
こうしたトラブルは重要事項説明書で説明を受けたかどうかが大きなポイントになるため、細かくチェックすることをおすすめします。
売却を想定する
中古マンションは購入しやすく、そして売却しやすい不動産だといわれています。
なぜなら、中古マンションは売却価格が安いと同時に、資産価値が減少しにくいという特徴があるからです。
こういった特徴があることから、投資目的で中古マンションを購入する人も多いです。
つまり、中古マンションを購入することは居住目的だけでなく、将来マンションを売却することで利益を得られる資産として扱うこともできる、といえるでしょう。
中古マンションを内覧する際の注意点
物件資料で要望に合いそうな中古マンションをピックアップ後、実際にマンションを内覧することになりますが、その際には事前に準備しておくことがあります。
そこで、この章で解説する、内覧する際の注意点をあらかじめ押さえておきましょう。
質問事項を考えておく
内覧することで物件資料だけでは分からない雰囲気を感じ取ることができますが、売主や不動産会社に質問しなければ分からない点も多いです。
また、内覧時間は1物件あたり20~30分が平均時間のため、売主に質問がある場合は事前にチェックリストとしてまとめておきましょう。
なお、おすすめの質問リストは、次のようになります。
- 上下左右の住民はどういう人か
- マンションの理事会はいつごろ回ってきそうか
- 同じ年代の人は住んでいるか
- マンション内や近隣で事故や事件、火災はあったか
- 暴力団関係はいないか
- 前面道路が浸水したことはあるか
日照条件や風通しを確認する
中古マンションを実際に内覧した場合、日あたりや風通しを感じることができます。
また、それと同時に臭いや振動、塵埃の有無についても確認できるため、物件資料では分からない部分をチェックするのがおすすめです。
許可を取ってから写真や動画を撮影する
不動産の内覧は1日に何件も回るため、記録用として写真や動画を撮影したくなりますが、必ず売主の許可を得て撮りましょう。
買主からすると多数ある物件の1つですが、売主からすると大事な不動産です。
また、御縁があると売買契約を締結する関係となるため、トラブルを避けるためにも撮影をする際には許可を取り、最低限の撮影に留める必要があります。
中古マンションは買うべき?賃貸と比較した購入のメリット
ここまで、中古マンションを購入する流れと注意点について解説しましたが、そもそも中古マンションは買うべき不動産なのでしょうか?
この章では、中古マンションを購入することに対するメリットについて、賃貸を比較しながら解説します。
リフォームやリノベーションがしやすい
賃貸住まいとマンションを購入する際の大きな違いとして、リフォームやリノベーションがしやすい、という点があるでしょう。
賃貸とマンションは生活形態が似ているものの、賃貸は所有物ではないことから壁紙や水回り設備を変更することはできません。
一方、購入したマンションであれば所有権を得ているため、問題なくリフォームやリノベーションすることができるでしょう。
ただし、マンションには管理規約や使用細則といったルールが定められているため、工事の告知や事前届出が必要です。
このようなルールは賃貸にはないため、注意しましょう。
資産となる
賃貸とは違い、マンションの購入は資産になります。
そのため、将来売却することも、マンションを担保にして資金を調達することもできます。
また、購入したマンションの立地が良い場合は、賃貸に出すことで収益物件として保持することもできるでしょう。
このように、所有しているマンションが「資産」となる点は、マンション購入の大きなメリットといえるでしょう。
団体信用生命保険に加入できる
団体信用生命保険とは住宅ローン債務者の多くが加入する保険のことで、債務者が住宅ローンの支払い中に死亡もしくは重度の障害状態になった場合、住宅ローン残債が免責となる保険です。
この保険には様々な種類があり、金利を上乗せすることでガンや三大疾病に罹患した場合でも保険適用できる商品もあります。
このように、住宅ローンを組む際の大きな安心材料となる団体信用生命保険ですが、賃貸では加入することができず、生命保険などで代用することになるでしょう。
そのため、同居している家族の家を守るという意味では、賃貸よりもマンションの方が安心といえます。
中古マンションは買うべき?賃貸と比較した購入のデメリット
中古マンションと賃貸を比較した場合、中古マンションを購入することのデメリットもあります。
この章で詳しく解説しますので、前述したメリットと合わせてチェックしましょう。
税金やさまざまな費用がかかる
中古マンションを購入した場合、管理費や修繕費、駐車場代、固定資産税及び都市計画税などがかかります。
こうしたランニングコストは物件所有者に対して支払い責任が生じるため、賃貸では発生しないコストです。
つまり、中古マンションを購入することは、所有している間このようなコストを支払い続ける、というデメリットがあるでしょう。
簡単には転居できない
賃貸は自由気ままに転居することができますが、マンションを購入した以上、すぐに転居することは難しいでしょう。
また、住宅ローンを組んでマンションを購入した場合であれば、売却し住宅ローンを完済しなければ次のマンションを購入することも難しくなります。
さらに、住宅ローンは原則「居住用」のため、債務者が住んでいない状態で賃貸にだすことはできません。
このことからも、マンションを購入することは資産になる一方、居住地を自由に変えられるというデメリットも同時に背負うことになるでしょう。
建物が老朽化する
新しいマンションに住み続けたいのでれば、賃貸を選択し転居を繰り返す方が良いでしょう。
なぜなら、マンションは築年数が経過するとともに老朽化し、設備の劣化が目立ち、破損が目立つようになるからです。
さらに、マンションが劣化したからといってすぐに売却し、新築マンションに転居することは様々なタイミングを合わせなければ、難しいといえます。
このように、マンションを購入することで生活拠点が固定化されてしまい、住環境の選択が大きく制限される、というデメリットがあります。
中古マンションの購入に関するよくある質問
この章では、中古マンションの購入に関するよくある質問について、解説します。
マンションを買ってはいけない時期はある?
マンションに限らず、ライフスタイルが固まっていない状況で不動産を購入するのはおすすめできません。
たとえば、結婚や同居をする前や転職、転勤の可能性が残っている時期、定年退職後などは、同居人数や生活環境が大きく変わります。
このような時期であればマンションを購入せず、生活が落ち着いてから購入しましょう。
中古マンションを購入して失敗・後悔することは?
中古マンションを購入後に失敗や後悔をするケースとしては、騒音問題が多いです。
上下左右に住む隣人の生活音や楽器の音がうるさいといったトラブルは、マンションならではの失敗談といえるでしょう。
また、マンションを購入した後に大きく値崩れしたという、資産価値面での失敗談もあります。
ただし、このようなトラブルは事前に調査をすることで回避できることが多いです。
そのため、不動産会社に騒音やマンションの資産価値についてしっかり調べ、失敗や後悔をしないマンション購入にしましょう。
独身女性でマンションを買う人はどんな人?
独身女性でもマンションを購入する人は多いですが、ある程度年収があり年配であるという特徴があります。
一般的には、年収は500~600万円前後、年齢は40歳以上の女性がマンションを購入する傾向にあるといえるでしょう。
中古マンションを購入する際の注意点まとめ
中古マンションを購入する際には、まず購入の流れを知る必要があります。
その上で、購入にかかる諸費用やメリット・デメリット、トラブル事例を確認し、失敗や後悔をしないよう事前準備を怠らないようにしましょう。