不動産買取チラシの内容は正しい?要注意なチラシや投函理由についても解説!
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自宅のポストに「高額買取します」「売却物件募集中!」と記載された買取チラシが紛れ込んでいることがあります。
広告媒体のひとつでもあるポスティングチラシは、アナログながらデザインにも工夫が凝らされ、思わず興味を引く魅力的な内容のチラシが増え、2024年の現在でも十分な宣伝効果があるようです。
一方、不動産を売却する側としては、記載されている魅力的な言葉の数々が信頼できるものなのか、どうかをしっかり見極めたいというのが本音です。
そこで今回は、不動産買取チラシが投函される理由や注意すべきチラシの見極め方などを分かりやすく解説します。
目次
不動産買取チラシの内容は正しい?
不動産業界を問わず昔からある広告媒体で、効率の良い営業手法の1つです。
不動産を売却したい方に向けたチラシなので、普段なら興味を持たない方でも、不動産の売却を検討していると気になってしまうものです。
特に、チラシに記載されている内容が正しいのかどうかという、基本的な部分から説明していきます。
信憑性に欠ける買取チラシも少なくない
「どんな物件でも買取ます!」「高価買取」など、不動産売却を検討している方にとって魅力的な言葉を過剰に並べているチラシを多く見かけます。
もちろん、広告としてはさまざまな工夫が大切ですが、チラシに謳っている内容が実現できるかといえば、話は別になるということはよくある話です。
買取価格というのは、物件の築年数・間取り・方位などを査定したうえで算出するもの。
そのため、いくら人気エリアに建っている物件だからといって、物件を見る前に高価買取を約束することはできません。
また、条件によっては買い手が見つからないということもあり得ます。
チラシに記載されている文言は魅力的でも、信憑性に欠ける買取チラシも少なくないので、チラシだけで判断しないようにしましょう。
チラシの印象だけで決めると後悔する可能性も
数ある不動産買取チラシのなかには、具体的な買取価格や魅力的な言葉を並べ、お客さんを誘導・確保したうえで契約を急がせる「買い叩き」を目的としたチラシが混ざっていることがあります。
売主の利益を無視し、不当に値引きさせて買う行為のことを「買い叩き」と表現します。
不動産の売却を検討している場合は、チラシに記載されている情報だけを鵜呑みにせず、チラシを配布している不動産会社のことを調べることも重要です。
記載されている内容のすべてが誇大広告というわけではありませんが、売主として損をすることがないように情報収集することが大切です。
依頼する前にしっかりと下調べすることが重要
不動産を売却する際に不利益を被らないためにも、記載されている言葉や査定で提示された価格が、相場に沿った適正な価格であるのかを事前に把握しておくことが重要です。
相場を知っておくことで、その後のステップで不動産会社に査定を依頼した場合の価格が適正かどうかを判断できます。
相場を調べる際は、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理している「レインズマーケットインフォメーション」もしくは、国土交通省が運営している「土地総合情報システム」がおすすめです。
不動産買取チラシが投函される理由
誰もが一度は目にしたことのある不動産買取チラシは、シンプルなデザインのものでも、印刷から配布に至るまでかなりのコストがかかっています。
邪魔なものとして扱われることも多いチラシですが、なぜ不動産会社はコストをかけてまで配布するのか、気になる方もいらっしゃるはずです。
ここでは、その理由について詳しく解説します。
売りやすいエリア・条件の物件だから
不動産会社は、すべての物件にチラシをポスティングしているわけではありません。
買取チラシをポスティングするのは、人気のあるエリアの売りやすい物件に絞っている場合がほとんどです。
人気のエリアにある物件は、ほかの物件よりも圧倒的に問い合わせが多く、利益となる仲介手数料につながりやすい傾向があります。
また、不動産買取なら買い取った後で再販することで高い利益が期待できます。
下記のような物件が人気エリアに当てはまります。
- バスや電車などの異動に関する利便性が高い
- 住みたい町ランキングに常にランクインしているエリア
- 角部屋や使いやすい間取り
- 宅配ロッカーやオートロックなどの設備が充実している
あくまでも一例ですが、上記のような条件を満たす物件は、確保しておきたいというのが不動産会社の本音。
高価買取などの好条件を謳ったチラシをポスティングするのは、ほかの不動産会社に依頼される前に、売主へアピールするのが狙いです。
不動産買取業者にとって効率的な営業手法だから
商品である物件を確保する手段として、チラシの配布はかなり効果的です。
不動産買取は、売主から売却の申し出がなければ物件を仕入れることはできません。
また、効率的に物件を増やすことが、媒介契約数のアップにつながります。
実際には売却を考えていない方も、買取チラシを手にすることで「そろそろ不動産を売却しようかな」という気持ちに変化をもたらす可能性に期待できます。
数ある不動産会社の中から、売主にアピールする手段としてはかなり効果的です。
不動産買取チラシの内容には記載ルールがある
無法地帯と思われるほど、魅力的なワードが過剰に散りばめられた買取チラシは、「宅地建物取引業法」や「不動産の表示に関する公正競争規約」により、ルールが厳しく定められています。
取引できない物件を広告表示してはいけない
実際の物件を誇大に表示して買い手を誤認させるような広告等を禁じると、宅建業法の第32条「誇大広告の禁止」に規定が定められています。
また、この条文には、物件の基本情報だけでなく、周辺環境や将来的な利便性などに関しても、誇大広告の対象になっているので注意が必要です。
そのため、「おとり広告」といわれる客寄せのための架空広告は禁止されています。
おとり広告は”釣り物件”とも呼ばれ、実際には募集していなかったり、すでに成約済みの物件をまだ募集しているようにチラシに掲載することです。
不動産公正取引委員会と不動産ポータルサイトが協力して、おとり広告の排除に力を入れていますが、減らないのが現状です。
誤解を招くような表現は根拠なしに使用できない
消費者に対して誤認を与えないことを目的として、公益財団法人「首都圏不動産公正取引協議会」は広告内で使用してはいけない言葉を定めています。
使用が禁止されている用語例 | 言葉の意味 |
---|---|
「完全」「完ぺき」「絶対」「万全」など | まったく手落ちがなく取引が成立する と思わせるような言葉 |
「日本一」「世界一」「当社だけ」「抜群」など | 競争事業者よりも優れている と思わせる言葉 |
「特選」「厳選」など | 物件に対して特別に選ばれたモノだ と感じさせる言葉 |
「最高」「最高級」「特級」など | 物件の形質や価格、取引条件に対し、 最上級を意味する言葉 |
「掘出」「破格」「得安」「激安」など | 物件の価格や賃料が安い感じさせる言葉 |
「完売」など | 著しく人気が高い、売れ行きが良い という印象を与える言葉 |
たとえば、売主本人が「日本一眺望が良い」と思っていても、買取チラシにはこのような誇張表現を記載してはいけないことになります。
ただし、根拠となる事実を併せて表示できれば、これらの言葉は使用しても問題ありません。
所要時間の算出にも規定がある
一人ひとりの歩幅や速度が異なれば、異動にかかる時間にズレが生じます。
多くの方が物件売買の際に参考にする最寄り駅や施設までの距離や時間に対しても「公正競争規約」第15条第11号にて決められた方法で算出する必要があります。
不動産広告における所要時間は「道路距離80mにつき徒歩1分」と換算され、その間は、信号などの待ち時間は含まれません。
80m未満の端数が出た場合は切り上げて1分とし、駅が目の前でほぼ0分の状態でも、切り上げて徒歩1分の表記になります。
この算出方法に基づくと、チラシに掲載されている時間より所要時間が短く済むものがほとんどです。
実際に歩いてみて、あまりにも時間がかかってしまった場合は、この算出方法ではないやり方で算出された所要時間が掲載されている可能性があります。
要注意な不動産買取チラシの特徴
大量にポスティングされるチラシのなかには、ルールを順守した優良なチラシに紛れ、信憑性の低い不誠実な買取チラシが混ざっていることがあります。
下記では、注意すべき買取チラシの特徴をまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
売れる金額をアピールするチラシ
不動産買取チラシには、「破格」「絶対」「抜群」など、取引の確実性を連想させるような言葉や「当社だけの最高額の買取」など、間違った認識を誘う言葉は、使用を禁止しています。
その言葉を裏付ける根拠があれば使用しても問題はありませんが、根拠がない場合は要注意です。
上記のような法律違反をしているチラシだけでなく、このチラシを配布している不動産会社自体が、信頼に値しないと考えるようにしましょう。
買取保証をアピールするチラシ
不動産の売却を検討している売主の大半が気になる買取保証。
一定期間、仲介で不動産が売却できなかった場合、不動産会社が買い取ってくれるというものです。
ただし、買取保証は確実に売却できるメリットがあるものの、買い手がつかず安く買い取られる可能性があります。
そのため、具体的な数字を提示している買取チラシにも注意しなければなりません。
そのほとんどのケースで、想定される相場よりも高めの魅力的な金額が掲載され、売主からの問い合わせを誘っている可能性が高いです。
物件の買取価格は、物件の状態や面積などの要件により算出額が異なるため、その金額に裏付けはありません。
売却する不動産会社と買取る不動産会社が同じ場合は、くれぐれも注意してください。
購入希望者がいることをアピールするチラシ
本当に購入希望者がいる場合でも、そのわずかな人数のためにコストや手間をかけてチラシの作成・配布を不動産会社がおこなうとは考えにくいです。
「今売れば、短期間で取引ができるかもしれない」という誤認を誘うところが、売主の心理につけこむ注意ポイントです。
購入希望者がいるというような記載のある買取チラシは信憑性が低い場合が多いため、そのようなチラシを見かけても内容を鵜呑みにしないように気をつけてください。
査定や相談など無料をアピールするチラシ
買取チラシの多くに「相談無料」や「買取無料」という言葉が記載されているケースがあります。
また、消費者の目に止まりやすいようにフォントが大きく、カラーで記載するなど、デザインにも工夫を凝らしています。
ただし、国家資格を所有している不動産鑑定士が鑑定評価する場合を除き、基本的に土地やマンションなど、不動産の査定や相談は無料で受けられます。
そのため、買取チラシをチェックする際は、「無料」という言葉に惑わされないように注意してください。
信頼できる不動産会社の選び方
数ある不動産会社のなかから、信頼できる不動産会社を見極めるのは簡単なことではありません。
だからといって、安易にチラシを信じるのではなく、複数の不動産会社の査定を受けられる不動産一括査定がおすすめです。
不動産会社を選ぶ際は、下記のようなポイントをチェックしてみてください。
営業担当者の力量や対応の質
どんな有名で優れた会社であっても、営業担当者の仕事ぶりや態度が良くないと売主の不満や不安のもとになってしまいます。
不動産を売却したいという方の事情や希望は個々によって異なるため、売主の気持ちに寄り添った売却プランを立て、適切なアドバイスやサポートしてくれるような担当者を選ぶようにしましょう。
『良い担当者に求められるもの』
- レスポンスが早い
- リスクを伝えてくれる
- 売主・買主の利益を最大限に考えてくれる
「不動産会社は気に入ったけど、担当者と相性が合わない」という場合は、我慢するのではなく、担当者の交代を相談してみてください。
得意なエリア・物件種類を確認する
不動産会社により「マンションが得意」「都内の不動産に強い」など、強みが異なります。
不動産会社を選ぶ際には、売却したい不動産を得意としているのかなど、しっかりチェックして選ぶようにしましょう。
不動産会社の得意なエリアや物件の種類をチェックする方法としては、下記のような2つの方法があります。
- 不動産会社の営業に直接自社の得意なエリアを聞いてみる
- 過去の売却実績を確認する
特に、過去の売却実績の確認は、得意な不動産やエリアが件数という数字で明確にわかるのでおすすめです。
免許の更新回数や行政処分の有無を確認する
基本的な事柄ですが、不動産業の「免許」や行政処分の有無を確認することも信頼できる不動産会社を選ぶ際の重要なポイントです。
土地や建物の売買や交換、賃借の媒介や代理をおこなう不動産会社には、宅建業法に定められた「宅地建物取引業免許」が必要です。
また、一つの都道府県内のみで営業する会社は「都道府県知事免許」、複数の都道府県に営業拠点を持つ会社は「国土交通大臣免許」が必要になります。
この免許は5年ごとに更新する必要があります。
そのため、免許に記載された更新回数から、およその営業年数を知ることが可能です。
今はほとんどいませんが、無免許で営業している会社が存在する可能性もないわけではありません。
会社の看板を掲げず、個人で営業活動をおこなっている「不動産ブローカー」と呼ばれる会社も存在しているようです。
そのため、「宅地建物取引業免許」は、営業所に掲示することが義務付けられています。
基本的には、来訪者が簡単に確認できる場所に掲示されているため、不動産会社を訪れたら、「宅地建物取引業免許」が社内にきちんと掲示されているのかをチェックしましょう。
また、「宅地建物取引業免許」があっても、過去に行政処分を受けた経歴がないかどうかも確認することをおすすめします。
免許番号の確認、行政処分の情報は国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで確認できます。
高く売却・買取してくれる会社でも、「宅地建物取引業免許」がなければ警戒するようにしてください。
買取チラシや不動産売却に関するよくある質問
最後に、買取チラシや不動産の売却に関するよくある質問2つにお答えしています。ぜひ、参考にしてみてください。
買取チラシを受け取りたくない場合はどうすればいい?
買取チラシを投函されたり、物件によってはDMが送付されるケースがあります。
投函されるチラシやDMは、不要ならすぐに捨てても問題ありません。
それでも、次々に投函されるチラシやDMが迷惑だと感じたら、受け取りを拒否しましょう。
下記が、買取チラシやDMの受け取りを拒否する方法です。
『迷惑なチラシへの対処法』
- 「チラシお断り」をポストに貼る
- 不動産会社に連絡してチラシの配布をやめてもらう
- 行政機関の相談窓口に連絡する
チラシが投函されるポストに「チラシの無断投稿お断り」といったステッカーを貼り付けるのも、ある程度効果があります。
また、不動産会社からのチラシのみを拒否したい場合には、「不動産関係のチラシの無断投函お断り」と記載するのがおすすめです。
「チラシの無断投函お断り」とポストに貼っても効果を実感できないなら、配布元の不動産会社に連絡してみましょう。
ほとんどの不動産会社では、クレームに発展しないように努めているため、チラシのポスティングがストップするはずです。
ただし、直接連絡してもチラシの投函が続くようなら、行政機関の不動産取引業者に関する窓口に相談してみてください。
宅地宅建取引業法では、不動産会社が繰り返し勧誘する行為を禁止しています。
相手方が契約を締結しない旨の意思(勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む。)を
表示したにもかかわらず、勧誘を継続することを禁止
また、チラシの投函をやめるように「意思表示」をしたにもかかわらず、ポスティングが続くようであれば、宅建法を根拠に、行政による指導・処分を求めることが可能です。
相談窓口は、相手の不動産会社が宅地建物取引業免許を国土交通大臣に発行してもらっているのか、都道府県知事に発行してもらっているのかにより異なります。
『DMの受取拒否』
- DMを開封せずに取っておく
- 「受取拒絶」と郵便物の表に記載するもしくは「受取拒絶」と記載した付箋を貼る
- 署名または押印する
- ポストに投函する
この手順を踏むだけで郵便局が発送者に送り返してくれます。
上記は郵便局が案内している公式な方法です。
ただし、受取拒否をする場合は、DMが未開封の場合に限られるため注意してください。
不動産を売るなら買取と仲介どっちがいいの?
買取とは、マンションの売却方法の一種で、一般的な仲介による売却とは異なり、不動産会社が直接買主になります。
一方、仲介会社は売主と媒介契約を締結した後、なるべく高い価格で売却するために顧客への照会のほか、チラシやインターネットによる販売活動をおこない、買主となる人を広く探します。
すぐに買主が現れ、高額で売れる場合は問題ありませんが、買主がなかなか見つからない場合は、販売期間が長期化したり、当初設定した価格を下げざるを得なくなります。
そのため、仲介会社の査定は売却できる可能性が高い価格設定になっているので注意してください。
一方、買取価格は買主となる不動産会社が実際に購入可能な金額を提示しているため、最短の場合数日で契約・決済まで完了させられるというメリットがあります。
まとめ
不動産の買取チラシの注意点や投函理由について解説しましたが、警戒しすぎるのも危険です。
チラシのポスティングは正式な営業活動で、優良企業でも実施しています。
また、買取チラシをポスティングするのは市場が活気づいている時期でもあるので、投函されたチラシを参考にして不動産会社に問い合わせするのも選択肢の1つになるでしょう。
特定の不動産会社にこだわりがないのであれば、チラシをきっかけに複数社に相談するのがおすすめです。
どの不動産会社に相談すればよいのかわからないという場合は、不動産一括査定サイトを利用して信頼できる不動産会社を選ぶようにしましょう。